狩野派の地方展開黎明期の実態についての研究ー福岡藩御抱え絵師・尾形家を中心にー
Project/Area Number |
20K12881
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Kyushu Historical Museum |
Principal Investigator |
日野 綾子 九州歴史資料館, 文化財企画推進室, 研究員(移行) (20803315)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 狩野派 / 近世絵画 / 尾形家 / 御抱え絵師 / 福岡藩 / 狩野探幽 / 画稿 / 日本近世美術史 / 近世絵画史 / 粉本 |
Outline of Research at the Start |
江戸時代前期の、狩野派の地方展開黎明期の様相について考える。 福岡藩の御抱え絵師を務めた尾形家のうち、江戸で狩野探幽に学んだ初代仲由、第二代守義、第三代守房の活動について、実作品、画稿、史料の調査・研究を行い、尾形家の絵師がどのように江戸で修学し自藩で絵画制作を行ったのか、その実態を明らかにする。また、江戸の狩野家や師である探幽の画稿・作品を合わせて検討することで、画法の伝播における中央と地方の関係性について考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である令和5年度は、尾形家初代仲由、第2代守義、第3代守房の作品について、公的機関・寺社所蔵のものを中心に、14件の調査を実施し、調書作成と写真撮影を行った。また、関連調査として、尾形家絵画資料中の小方仁兵衛筆画稿と同一図様を示す根津美術館所蔵の狩野探幽筆《両帝図屏風》の調査を実施した。これにより画稿と作品の図様が近いことが改めて確認でき、仁兵衛を名乗った仲由あるいは守義が、師の作品、あるいはそこからほど近い距離にある模本にアクセスできるような立場にいた可能性が極めて高いことが明らかとなった。また、この4年間の研究期間で実施した、初代~第3代の作品33件および画稿384件の基礎データとカラー画像、論考、資料を掲載した報告書を年度末にまとめ、発行した。 研究期間全体を通じて、初代~第3代について作品と画稿を悉皆的に調査したことで、これまでの先行研究を礎としながら、3人の画業をさらに一歩踏み込んだ形で明らかにすることができた。特に、3人の共通の師である狩野探幽について、画稿の中に師の画風の学習の痕跡を多く確認できたことは大きな成果であり、尾形家の始めの3代が探幽の画風を極めて高い精度で筑前に伝えていたことが改めて強く実感された。また、3人の作品についてはこれまで一般に画像の公開されていたものが少なかったため、令和4年度に行った展示の図録や最終年度発行の報告書において、本研究で撮影した作品の画像を公開できたことは、今後の狩野派研究に少なからず資するものとなろう。
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Report
(4 results)
Research Products
(6 results)