リンシードオイルの加工による絵具の性質の変化とそれを効果とする描画表現の研究
Project/Area Number |
20K12902
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
|
Research Institution | Hamamatsu Gakuin University Junior College |
Principal Investigator |
菅澤 薫 浜松学院大学短期大学部, その他部局等, 専任講師 (90852682)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
|
Keywords | リンシードオイルの加工 / 制作実践 / 油絵具 / 絵具の性質 / リンシードオイル / メディウム / 加工 / 画肌 |
Outline of Research at the Start |
油絵具のメディウムは、乾性油を主成分としたもので、顔料を支持体に固着する働きがあり、画面上に光沢感やテクスチャといった画肌を形成する。本研究は、リンシードオイル(乾性油の代表的なもの)の加工に着目し、リンシードオイルの加工によって得られる油絵具の多様な表現方法の可能性を追求することを目的とする。様々な加工で製作したリンシードオイルの使用による絵具の性質や画肌の表情について、機器を用いた材料科学分析と制作者としての官能評価を併せた方法で分析する。これらの研究成果を踏まえ、絵具の性質と画肌の表情の相関図を作成するなど、リンシードオイルの加工による描画表現への効果について理論構築をはかる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、リンシードオイルの加工が絵具の性質および画肌の表情に及ぼす影響について、材料科学分析と官能評価の結果を対照して考察し、リンシードオイルの加工によって得られる油絵具の多様な表現方法の可能性を追求することを目的としている。 今年度はまず、塗布実験した画肌の表面を解析するための機器の選定・購入を行った。コーン・プレート粘度計を使用し、コーンローターの回転速度や計測時間などの詳細な条件で測定を行った結果、リンシードオイルの加工方法により絵具の流体粘度が異なることを確認した。いくつかの試料は、ずり変形を加えた際に破壊された構造が即座に回復しないことがあった。これらの特性は塗布性、タレ性、レベリング性に関与するため、塗布実験などの官能評価と照らし合わせて分析を進めたいと考えている。 塗布実験では、筆や支持体、描くものの条件を統一し、手板に試料の絵具を塗布した後、その画肌の表面をマイクロスコープで撮影した。試料によって塗布後の絵具の形状が異なるため、コーン・プレート粘度計のデータとの相関性をまとめる予定である。 また、制作実践では、加工したリンシードオイルを用いた絵画作品を制作し、その成果をグループ展や個展で発表した。この実践を通じて、下層に使用するオイルの選択が上層の絵具の伸び方に影響を与えることが明らかになった。今後、これらの結果を客観的に評価する方法を探求していきたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、産後・育休により約1年2か月の研究中断期間が生じた。育休から復帰後は、仕事(業務)の感覚を取り戻すのに時間を要し、また子どもの送り迎えや世話など家庭の事情により時間が制限されているため、計画通りに進めることが難しい状況である。このような環境の中で研究の進捗がやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度が研究の最終年度になるため、追加実験の実施を行い、これまでの研究成果の総括を行いたい。
|
Report
(4 results)
Research Products
(6 results)