Imagined Hometown and Ecoambiguity Represented in Postwar Taiwan Children's Literature
Project/Area Number |
20K12950
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02020:Chinese literature-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松崎 寛子 日本大学, 文理学部, 研究員 (10820946)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 台湾文学 / 児童文学 / 環境問題 / 郷土想像 / アイデンティティ / 国語教育 / 環境保護 / 国語運動 |
Outline of Research at the Start |
戦後台湾児童文学における「郷土」表象の手法とその意義を問い直し、台湾の「郷土」意識がどのように環境保護意識へと発展していったかを明らかにする。 戦後台湾の児童文学が国家アイデンティティ形成に果たした役割は大きい。戦後直後の国民党独裁政権による国語推進運動から1980年代の民主化運動、そして1990年代から民主化以降と、児童文学において「郷土」が如何に表象されるかが作家の文化アイデンティティ形成と大きく関わってきた。本研究では、民主化運動と環境保護運動が台湾の社会において結びついた背景を視野に入れ、戦後台湾児童文学における「郷土」意識の変遷と環境保護意識への発展について考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
台湾は、オランダ、鄭成功政権、清朝、日本植民統治、国民党一党独裁と、外来政権による支配を受けたが、1980年代末に民主化を達成すると、環境問題、エスニシティ、移民、LGBT、ジェンダー等の人権問題も重視されるようになり、台湾アイデンティティは今もなお多様化し、変化し続けている。児童文学は、中華民国、そして郷土台湾の、アイデンティティ形成に大きな役割を果たしてきた。本研究は、台湾の歴史背景と台湾を取り巻く国際関係を考慮しつつ、台湾児童文学作家達は、どのように「国家」や「台湾」への郷土想像を創造しながら、その意識を環境問題へと繋げて描き、子供達に「郷土」における「環境問題」を伝えているかを解明する。各時代の台湾児童文学における「郷土」の描かれ方を分析し、それがどのように環境問題と結びついていったかを考察し、台湾児童文学の新たな系譜を提示する。本研究では、戦後台湾児童文学における「郷土」表象の手法とその意義を問い直し、台湾の「郷土」意識がどのように環境保護意識へと発展していったかを明らかにする。戦後台湾の児童文学が国家アイデンティティ形成に果たした役割は大きい。本研究では、民主化運動と環境保護運動が台湾の社会において結びついた背景を視野に入れ、戦後台湾児童文学における「郷土」意識の変遷と環境保護意識への発展について考察している。 台湾中央研究院史言所に訪問研究員として滞在し、台湾国家図書館、教科書図書館、 国語日報資料室で、資料収集、および作家遺族や友人にインタビューを行った。また、エモリー大学Guangchen Chen教授、ジョージア工科大学Amanda Weiss教授と日中台児童文学について打ち合わせをし、同大学図書館で資料収集を遂行した。 国内学会での口頭発表、国際学会での英語口頭発表を行った。また国際シンポジウムを主催した。学術誌には2本の論文を論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究成果をまとめ、2023年11月東方学会秋季学術大会にて「鄭清文の作品における少年表象と幸佳慧の児童文学―台湾郷土文学における「私たち」の子供時代」を口頭発表した。また、2023年8月に米国カリフォルニア大学で開催されたThe 26th Biennial International Research Society for Children's Literature (IRSCL) 2023 Congressでは、“Imagining “Our” Hometown: Ecoambiguity, Collective Memories and Decolonial Environmentalism Represented in Children’s Literature in Taiwan”を英語で口頭発表した。 また、2023年6月、日台中米から学者を招聘し、日本大学百周年記念館にて国際シンポジウム『植民地体験、郷土と越境:台湾の郷土文学は越境できるか』を主催した。 更に、「エコクリティシズムとしての児童文学ー鄭清文文学全集出版に寄せて」を『植民地文化研究』第21号(2024年2月)に発表し、書評「通俗恋愛小説ができるまで―台湾の人々の読書史に一石を投じるー書評:張文菁著『通俗小説からみる文学史 1950年代台湾の反共と恋愛』(法政大学出版局、2022年)」『日本台湾学会報』第25号(2023年7月)に発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
台湾での現地調査(台湾国家図書館、台湾大学図書館、吉祥巷工作室等)を行う。ハーヴァード図書館、ニューヨーク州立大学図書館、エモリー大学図書館等、米国の図書館に保存されている資料を調査する。また台湾国家図書館、台湾大学図書館、吉祥巷工作室等作室で資料収集を行う。 また、日本統治時代における日本人及び台湾人作家による児童文学作品における台湾の「郷土」表象と戦後台湾における「郷土」表象とを比較し、現代台湾児童文学作品における環境問題への影響を考察する。具体的には、日本統治時代を経験した盧千恵の児童文学を分析し、日本統治時代経験者の女性作家の視点からの台湾「郷土」表象に注目し、戦後台湾の作家達、特に日本統治時代に幼少期を過ごした鄭清文等にどのような影響を与えたか、それが戦後児童文学における環境保護意識への提示とどのように関わったかを考察する。 また、2024年11月には、2024 Taiwan Children’s Literature Research Association (TCLRA) International Conferenceで “Whose Childhood? : Children’s Literature and Representation of Childhood in Taiwanese Writer, Zheng Qingwen’s Literary Works”を発表予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(15 results)