Project/Area Number |
20K12986
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
志々見 剛 学習院大学, 文学部, 准教授 (40738069)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | ボダン / 歴史論 / ルネサンス |
Outline of Research at the Start |
ジャン・ボダン(1530-96)は、『国家論』を著した政治思想家としての活動にとどまらず、教育・文芸論、法学、歴史論、魔女論、自然学・宇宙論、宗教論などの多様な分野でも重要な著作を残している。本研究は、フランスを中心とする16世紀の文学・思想研究という立場から、同時代の知的な文脈の中で、これらの著作全体を検討し、ボダンの思考の一貫性、連続性ないしはその発展の軌跡を跡付けようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、幸いなことに大学でサバティカルをとることができたので、これまでの期間にためこんでいた資料や文献などの整理、読解、分析をある程度おこなうことができた。とりわけ、ジャン・ボダンの歴史論(『歴史を容易に理解するための方法』他にみられる)の背景や源泉を検討するうえで、時代を少しさかのぼって、16世紀の前半のフランスにおける歴史と虚構との交錯を検討した。具体的には、ジャン・ルメール・ド・ベルジュの『ゴールの栄光とトロイの驚異』や、ラブレーの物語作品(特に『パンタグリュエル』、他に『第四の書』など)を主な対象として研究をすすめた。これらと密に関係するものとして、ヴィテルボのアンニウスの捏造した古代の著作形のテクスト群、トロイの真の歴史とされるフリギアのダレスやクレタのディクトュスの著作(偽書)、中世から同時代にいたる諸々の年代記や物語類などが、真偽の境目のあいまいなまま交雑している点を検討した。それぞれが広がりのあるテーマであり、様々な分野での先行研究もあるので、それらに目を配るだけでもかなりの時間を要するものである。 現在のところ、このような検討の結果を、ルメール・ド・ベルジュに関するものと、ラブレーに関するものとの2本の論文としてまとめているところである。いずれも、まだ検討しなければならない細かい点が残ってはいるものの、ほぼ完成に近づいている。何らかの機会をとらえて、今年度中には発表したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この研究を始めた当初はコロナの影響で、海外での資料収集ができず、また、大学の授業や学務も混乱をきたして、なかなか研究に打ち込む余裕を持てなかった。本年度は比較的余裕があって、ある程度は挽回できたように思うが、それでもそもそもの計画からしてやや遅れてしまっていることは否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
まずするべきことは、現在執筆中の論文2本を完成させ、何らかの形で発表することである。それに加えて、パリの国立図書館等で、追加的な資料調査を行えればと考えている。 内容面では、ボダンが広くその圏内にいるような、同時代の歴史論、虚構論の読解、分析を進めていきたいと思う。
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