「面白い」の起源:扁桃体の役割に注目したユーモア理解過程の理論と実証
Project/Area Number |
20K13034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
中村 太戯留 武蔵野大学, データサイエンス学部, 准教授 (80409797)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ユーモア理解 / ポジティブ情動 / 不調和の解消 / 見いだし理論 / 関連性の感知 / 扁桃体 / 保護フレーム / 皮肉理解 / ユーモア / 関連性の見いだし / 「保護されている」という認識の枠組み / 一貫性の監視 / 行為の意味 / 行為者の意味 / 遊び状態 / 不調和解消 / 関連性感知 |
Outline of Research at the Start |
ヒトが何かについて面白いと感じる情意反応を科学的に研究することは言語学、心理学、脳科学において重要なテーマである。ユーモア理解には、不調和の感知とその解消という過程が関与することが知られている。また、ユーモアを生じる要となる不調和解消の処理において、扁桃体が重要な役割を果たす可能性が報告されている。本研究では、面白いと感じる情意反応に関して、扁桃体の不調和解消の役割を基軸とした言語学的な理論を構築し、それを心理学的ないし脳科学的に検証することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「扁桃体のユーモア理解過程における役割は何か?」という学術的問いに対して、言語学、心理学、そして脳科学の知見を活用しながら解明する試みである。 これまでに、第1の目的である、コトバの内容を何らかの基準に基づいて「面白い」と評することに対応しうるユーモア理解の言語理論の提案、および第2の目的である、扁桃体の神経科学的なつながりや役割と前述の言語理論との関連づけの提案を実施し、「ユーモア理解の「見いだし」理論」として令和3年度に論文発表をした。その骨子は、関連性の感知(Sander et al., 2003)と保護フレーム(Apter, 1992, 2007)がユーモア理解において重要な役割を果たすというもので、扁桃体は前者の重要な神経基盤と考えられている(Nakamura et al., 2018)のに対して後者の神経基盤は不明となっている。そこで令和4年度は、第3の目的である、心理学的ないし脳科学的手法を通して、前述の言語理論の神経基盤の解明を目指す一環として、保護フレームの神経基盤の解明に向けて、イメージングの先行研究に対する脳の座標情報に基づくメタ分析を実施し、側頭葉前部、尾状核、前帯状回などが候補となりうることが示唆された。また、ユーモア理解に関する行動データ(中村, 2009)の再解析を実施し、保護フレームと整合する主成分を抽出可能であることも示唆された。 すなわち、扁桃体の関連性の感知は「自分が有する幸福や属する種の幸福の維持に有意な影響を及ぼす」(Sander et al., 2003)事柄の見いだしであり、ともすれば自分にネガティブな影響を及ぼしうる事柄である。そして、保護フレーム(Apter, 1992, 2007)により自分がネガティブな影響から守られる際に、ユーモアが生じるという可能性が考えられる。そして、これらに関して学会や研究会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は、本研究の第3の目的、すなわち「心理学的ないし脳科学的手法を通して、コトバの内容を何らかの基準に基づいて「面白い」と評することに対応しうる言語理論の神経基盤の解明を目指す」を目的として掲げたのに対して、メタ分析や行動データの再解析を通して「コトバの内容を何らかの基準に基づいて「面白い」と評することに対応しうる言語理論」の検証を進めることができたが、実験による検証を実施することができなかったため、やや遅れていると評価した。遅れの理由は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に配慮して対面実験を令和3年度まで見送ってきたこと、および令和4年度は研究者自身が新型コロナウイルスの罹患にともない療養生活をしていたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、本研究の第3の目的、すなわち心理学的ないし脳科学的手法を通して、コトバの内容を何らかの基準に基づいて「面白い」と評することに対応しうる言語理論の神経基盤の解明を目指し、これまでの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による遅れを挽回すべく、期間延長も射程に入れつつ、実験の実施に向けた準備を推進する。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)