Project/Area Number |
20K13061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
安原 正貴 茨城大学, 教育学部, 准教授 (10738834)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 反使役自動詞 / 道具句 / 再帰的反使役 / 反使役 / 再帰 / 事象構造 / 使役交替 / 再帰的反使役動詞 / 再帰動詞 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、コーパス・英語母語話者の内省判断・先行研究などを活用しながら、英語において再帰的反使役用法を持つ他動詞を網羅的にリストアップするとともに、英語の再帰的反使役他動詞を可能にする意味的条件を明らかにすることを目指す。これにより、再帰的反使役他動詞の通言語的研究に向け、英語の基礎データを提示することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、英語の再帰的反使役他動詞に関する意味論的調査を主眼としているが、当該年度は通言語的観点及び反使役自動詞との比較対照の観点を盛り込むため、日本語の反使役自動詞に関する分析を行い、論文「Two Types of Instrument-like Causers in Japanese」を発表した。 この論文では、日本語の反使役自動詞と道具句との間の共起可能性について考察を行った。道具句は通常、その道具を使用する動作主の存在を前提とするため、通言語的に反使役自動詞と共起しにくいとされている。実際、英語では“*The door opened with this key.”のように表現することはできない。しかし、日本語では、「その鍵でドアがあいた。」という文は文法的であり、一見すると日本語と英語との間で、道具句の認可に関して反使役自動詞の意味的・統語的性質が異なるように見える。実際、影山(1996)やMatsumoto (2000)は、日本語と英語の反使役自動詞は語彙意味論的な性質が異なることを主張している。しかし、日本語において道具句が反使役自動詞と共起するためには、指示詞などを用いて道具句に焦点を当てたり、「簡単に」などの副詞表現を用いて事象の達成の容易さを表現したりしなければならないという制約が存在する。このような観察に基づき、本論では、日本語において反使役自動詞と共起する道具句は原因句としての役割を果たしており、反使役自動詞の意味的・統語的性質は、少なくとも道具句との共起可能性が関わる範囲においては同じであることを論じた。 本論における主張は日本語の反使役自動詞と道具句との間の共起可能性にとどまらず、日本語特有とされる「脱使役化」自動詞と呼ばれるタイプの自動詞にも示唆を与えるものであり、日本語と英語における反使役動詞の比較対照研究をさらに進展して行くことが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き、本務校での校務や教育活動等の業務が当初予定していたものよりも多忙となった。その結果、本研究課題の遂行に当てる時間を当初の予定よりも減らさざるを得なくなった。そのため、当初の予定よりも本研究課題の遂行がやや遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本務校での校務や教育活動等の業務が多忙だったため、本研究課題の遂行に当てる時間を当初の予定よりも減らさざるを得なくなり、当該年度は研究の推進がやや遅れることとなった。しかし、次年度においては、長期休業の期間等に集中して研究を遂行し、研究計画に沿って研究を進める予定である。
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