Project/Area Number |
20K13112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Yokohama National University (2022-2023) Showa Women's University (2020-2021) |
Principal Investigator |
大塲 貴志 横浜国立大学, 教育学部, 講師 (40832366)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 文法練習 / 第二言語習得論 / パイロット・スタディ / 教材研究 / 外国語教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、 第二言語の文法知識を運用できるようにするための、コミュニカティブな「練習」方法の効果を検証する。第二言語の文法指導においては、文脈がない場面での明示的な指導や暗示的文法指導が中心の内容重視の指導が行われている。従来の第二言語習得論 (SLA) 研究では、コミュニケーション活動の中で文法指導も適宜行う指導法 (form-focused instruction:FFI)が効果があることが分かっているが、実験室における短期間での検証が多かった。本研究では、教室でFFI指導を入れた「練習」活動を長期間に渡り繰り返し行い、文法の運用力 (自動化) への効果を検証することを主眼とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、第二言語習得論(Second Language Acquisition) 研究や理論に基づいた効果的な文法指導に焦点を当て、文法知識を理解するだけでなく運用できるようにするための、コミュニカティブな「練習」方法の効果を教室で実験を行い検証する。第二言語指導では、従来主流であった文法訳読方式に基づく文法ドリル中心の指導や、近年注目されている内容重視の言語指導 (例:CLIL) のいずれも文法の運用に関しては限界が指摘されている。一方、明示的文法指導を適切にコミュニケーション活動に組み込む指導法 (form-focused instruction: FFI) が文法の運用に有効であることが分かっている。従来のSLA研究では、FFIの短期間での効果の実験検証が多かったため、本研究では、長期間に渡り、教室でFFI指導を入れた「練習」活動を行い、文法の運用力 (自動化) への効果を検証することを主眼とする。 神奈川県内の大学生1年生60名程度(実験群20名程度X2群、比較群20名程度)を対象とした授業を用いてデータ収集を行なっていく。対象文法項目は「仮定法」に焦点を当てる。実際のコミュニケーションでも運用する場面が多く、言語構造がやや複雑で習得が難しいため、練習を要するものにより相応しいと判断したからである。 まず、実験群と比較群は事前テストを受験する。1週間後、実験群の授業で仮定法のルールを明示的に説明し、理解の確認を行う。その後、3-4週間に渡り、仮定法を使うコミュニケーション活動を継続的に組み込む。実験終了後、事後テストを行う。比較群にはテストのみ受験してもらう。2週間後に、遅延事後テストを実施する。さらに、アンケートやインタビューを考察に加え、クラスルームでの言語学習の特徴について、考察を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は10月から12月にかけて以下のように実験を行った。対象は神奈川県内の大学生59名である。手順はまず、実験群と比較群は事前テストを受験した (10/27)。1週間後 (11/17)、実験群の授業で仮定法のルールを明示的に説明し、理解の確認を行った。その後、3週間に渡り、仮定法を使うコミュニケーション活動を継続的に組み込んだ(11/24, 12/1)。 実験終了後、事後テストを実施した (12/1及)。比較群には特別な活動をさせず、テストのみ受験してもった(11/1, 11/29, 12/13)。2週間後に、遅延事後テストを実施した(12/15)。 結果は現在分析を継続中である。筆記テストの分析の結果、実験群のうち、形式(文法)にフォーカスして練習を行ったグループは事前テストから事後テスト、さらに遅延事後テストまで統計的に有意に伸びを示した。また、意味中心の練習を行った実験群と、統制群と比較してもその差は事後テスト、遅延事後テストにおいて有意な差が見られた。実験で行った文法練習の効果が明らかとなった。2023年8月にこの結果を英国ヨーク大学で行われたBritish Association for Applied Linguistics (BAAL)学会で口頭発表で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
口頭試験と一部の被験者へのインタビューの結果を引き続き分析していく(統計解析など)。研究結果を論文にまとめ、国際誌に投稿する予定である。
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