語彙処理と文処理のメカニズムを統合した英語学習者の形態素習得に関する研究
Project/Area Number |
20K13123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田村 祐 関西大学, 外国語学部, 准教授 (40826385)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ストループ効果 / 複数形形態素 / 意味と形式のマッピング / 数の一致 / 第二言語習得 / 文処理 / 語彙処理 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,英語の第二言語学習者を対象として,複数形の形態素-sの知識とその処理メカニズムについて,(a)語彙処理,(b)文処理,(c)形態素とそれが持つ意味のマッピングという3つの観点から習得困難性を統合的に説明する仮説の生成を目指すものである。これまでの先行研究では,(a)や(b)の観点では豊富な先行研究の知見が蓄積されてきているものの,(c)の観点での研究は少ない。また,形態素の習得には(a)~(c)の3つの側面があるにも関わらず,それらを統合して習得の困難性を説明するには至っていない。本研究はこの問題点を克服し,広く第二言語習得のメカニズムを明らかにする基礎づけとなる知見の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,英語の第二言語学習者が持つ屈折形態素の知識とその処理メカニズムについて,(a)語彙処理,(b)文処理,(c)形態素とそれが持つ意味のマッピングという3つの観点から習得困難性を統合的に説明する仮説の生成を目指すものである。特に,複数形形態素を取り上げ,その処理を英語母語話者のそれと比較することを通じて,学習困難性がどの領域に生じるのかを特定することを明らかにすることを試みる。 2022年度は,(c)の領域における実験研究を国際雑誌に発表した。形式と意味のマッピングについては,実験手法が広く普及しているとは言い難い。第一言語話者を対象とした実験研究はあるものの,それを第二言語話者に応用した研究は多くない。その意味で,第二言語話者を対象とした実験研究を発表できたことは評価できると考えている。今回の研究では,ストループ効果と呼ばれる心理学の現象を応用した語数の判断課題を利用した。この課題のロジックは,もし複数形形態素と結びついた複数という意味が習得されていれば,複数形の名詞を1語と判断するのに要する時間は,単数形の名詞を1語と判断するよりも,複数という名詞に付与された情報の干渉によって長くなるであろうという予測に基づいている。実験の結果,日本語を第一言語とする英語学習者は複数形名詞を判断する時間が単数形名詞を判断する時間よりも統計的に有意に長いことが示された。このような結果は,先行研究によって示された母語話者の結果とも同じであることから,(c)の観点では母語話者と同様の知識を持っていると仮定できる。今後は,この結果と(a),(b)の観点がどのような関係を持っているかに焦点をあてた実験を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響で発生した遅れを徐々に取り戻し,研究を発表することはできはじめているが,研究計画の遅れを完全に取り戻すにはいたっていない。したがって,進捗状況は遅れていると判断した。結果として,研究期間を1年延長し,2023年度も研究を継続することとした。現在は,上記研究実績の(a)と(b)の観点の実験を実施する準備に専門家の助言を受けながら取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症によって,ウェブベースでの実験も普及したが,それに伴い,ウェブベースでの実験で収集されるデータの質の低下も問題になっている。実験に真面目に参加せずに報酬を得ようとする者の増加が一因となっているようである。特に,Amazon Mechanical Turkを利用したデータ収集においてこの問題が深刻であるため,当初の計画を変更し,別サービスを利用してウェブベースでの実験データ収集を行う必要があると考えている。また,新型ウィルス感染症が5類となり,大学での研究活動もコロナ前と同様の水準に戻りつつあることから,実験室を利用した対面でのデータ収集の可能性も同時に考えていく予定である。補助事業期間の延長により2023年度が最終年度となるため,夏までにデータ収集を終え,秋以降にデータ解析を行うことができれば,年度内で一定程度の成果をあげることができる見込みである。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)