A study on the structure of Lord System in early modern Japan : Focus on Koutaiyoriai
Project/Area Number |
20K13170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野本 禎司 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (50846467)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 日本近世 / 武家領主 / 近世領主制 / 交代寄合 / 旗本 / 領主支配 / 家臣 / 在地代官 / 統治体制 / 日本近世史 / 領主制 |
Outline of Research at the Start |
本研究が素材とする交代寄合は、大名でも旗本でもない武家領主とされるが、領主史料の残存の悪さもあって、日本近世国家・社会における彼らの存在形態は十分に解明されていない。そこで本研究では、領主側と在地側の双方の史料を確認できた交代寄合家を対象に調査を進めることで基礎的事実を積み上げ、彼らの存立構造を立体的に明らかにすることを目的とする。大名に比べて研究が遅れている交代寄合や旗本といった小規模の武家領主の存在形態を明確にし、武家領主概念の再検討および近世日本の統治体制の固有性(近世領主制の特質)を究明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、①研究計画当初から実施している福島県須賀川市立博物館を拠点とした古文書調査に加え、②昨年度より調査を開始した栃木県那須町に領地を有する交代寄合芦野家家臣の史料調査を進め、那須歴史探訪館で報告会を実施した。③さらに、それらの調査・研究成果もいかして歴史系学会にて研究報告、論文発表をおこなった。 ①は撮影作業を終えていた交代寄合溝口家知行所名主・安藤家文書の目録を作成するとともに、旗本三枝家の知行所名主・在地代官をつとめた矢部家文書の撮影作業を学生アルバイトの補助を得て継続して実施し、文書群の約半分の撮影を終了した。②は那須歴史探訪館収蔵の交代寄合芦野家家臣・山田家文書の撮影を進め、また研究協力者と同館学芸員との報告会及び巡見を2回実施し(2022年8月、2023年3月)、研究成果の社会還元の基盤をもつことができた。③は2022年度歴史学研究会大会近世史部会にて「旗本「御家」・家臣と近世領主制」と題する研究報告をおこない、同会会誌に研究論文を発表した。 なお、前年度につづき、本研究課題にとって比較対象ともなる同経済規模の藩家臣文書の調査成果として、仙台藩で2700石を知行した後藤家の調査報告書(共編著『仙台藩宿老後藤家文書―由緒・職務・武芸―』東北アジア研究センター叢書第72号、2023年1月)を刊行できた。また、勤務先の東北大学東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門が協力する山形県立博物館講座の講師をつとめ、「出羽国村山郡における旗本知行の特徴―3000石高力家の領主支配―」と題した講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度も感染症予防の観点から当初予定していた岐阜調査は見送り、福島・栃木に領地をもつ交代寄合、旗本家に関する資料調査・研究を中心に進めた。これにより奥州街道沿いに領地をもつ地域性の視点を獲得しつつあるものの、領主側の資料調査は十分に実施することができていない。一方で、これまで本研究課題で進めてきた成果をふまえ、歴史系学会にて研究報告及びその論文発表を行うことができた。研究成果発信という点では一定の成果を得られたものの、調査が十分に実施できていないため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
この間の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、長距離移動をともなう出張調査が実施できていない。ようやく調査の実施見込みが立ちつつあるので、遠隔地の史料所蔵機関の調査を可能な限り実施し、領主側の史料調査等の遅れを取り戻したい。同時に、当初より継続調査をおこなっている須賀川市、昨年度より新たに得た研究フィールドである那須町では、報告会開催などにより研究成果の地域への還元、共有も実現できるよう進めたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)