Project/Area Number |
20K13204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
光成 歩 津田塾大学, 学芸学部, 講師 (60863842)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | イスラム教 / シンガポール / マレーシア / イスラム家族法 / 多宗教社会 / 雑誌 / ムスリム女性 / ジェンダー / ムスリム家族法 / 東南アジア / イスラム / 女性 |
Outline of Research at the Start |
多宗教社会におけるムスリム女性の社会的地位を明らかにするため、1950年から1969年にかけてシンガポールで発行され、マレー・イスラム世界で読まれた月刊誌『カラム』を分析する。20世紀半ばは、社会の近代化にともない女性の社会的地位が流動化した時期であり、雑誌記事の通時的分析により、ムスリム女性が直面していた生活実践上の課題を明らかにするとともに、社会の多宗教的な構成がその動向に及ぼした影響を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
多宗教社会におけるムスリム女性の社会的地位と密接に関わるトピックに関して分析を進めた。 (1)戦後復興期の家族法改革の分析 1950年代から1960年代のシンガポールで並行して取り組まれたムスリム・非ムスリムの家族法改革について、アジア・太平洋戦争による社会の荒廃のなかで女性が困窮する状況への問題認識から進められた戦後復興という観点と植民地期に作られた法秩序を脱植民地化に伴って作り変える法の脱植民地化という観点から分析し、ムスリムと非ムスリムの家族法の統一に関してムスリム・コミュニティで展開された議論を議会資料および新聞・雑誌を用いて検討した。分析の結果は単著として発表する予定で執筆を進めている。 (2)戦後社会における女性の動向分析 就学・就業・政治参加などにおける女性の社会進出が進んだアジア・太平洋戦争後のムスリム女性の動向について、同時期に発行されていたムスリム向け月刊誌『カラム』の読者投稿欄(コラム「千一問」)を用いて分析を進め、議会で家族法改革が論じられていた同時期に生活の場でムスリム男女が抱えていた悩みや心情を読み解いた。ムスリム女性による社会的な発信や発言の機会が限られていることを念頭に、女性読者による投稿だけでなく男性読者の投稿から読み取れるムスリム女性の動向やそれに対するムスリム・コミュニティの理解や戸惑いを分析することで女性の生き方をめぐる社会認識が変化する過程の議論を分析した。分析の結果は論文として執筆を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資料の分析は順調に進んでいるが、最終年度にあたる2023年度に計画していた成果発表が遅れているため「やや遅れている」とした。延長が認められた次年度に成果発表を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
資料分析の成果としてコラム「千一問」に関する論文集の発行を進める。また、本研究課題によって博士論文の大幅な改稿を行っており、単著としての出版計画を進める。
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