The legal purge of Collaborators with Nazis in France (1944-1949)
Project/Area Number |
20K13214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
南 祐三 富山大学, 学術研究部人文科学系, 准教授 (50633450)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 対独協力 / 粛清裁判 / 第二次世界大戦 / 第四共和政 / グレーゾーン / 第五共和政 / ジャーナリズム / フランス / 第一次世界大戦 / ナショナリズム / ヴィシー / フランス第四共和政 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、フランスにおける対独協力者に対する粛清裁判の実態を解明するものである。ナチに協力した人びとを裁く行為は、第二次世界大戦後のフランスの出発点となるべき重要な取り組みだった。リンチや略式処刑など違法な制裁を含め、対独協力者を罰した行為は「エピュラシオン(粛清、浄化)」と総称される。それは、国家の「裏切り者」に対する報復措置でもあった。本研究はそのなかでも、ド=ゴールを首班とする共和国臨時政府が実行した1944~1949年における粛清のための司法裁判を分析する。とりわけ「国家反逆罪」という罪名に着目しつつ、法廷における対独協力をめぐる具体的な議論の内容を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の主な研究成果は、髙綱博文・門間卓也・関智英『グレーゾーンと帝国――歴史修正主義を乗り越える生の営み』(勉誠社、2023年)に寄稿したコラム「コラボラシオンの中のグレーゾーン――「反独コラボ」シャルル・モラス」(同書、pp. 183-198所収)である。これは戦前から変わらず、占領期も反ドイツ姿勢を保ちながらも、1945年1月にリヨンの特別裁判所で「敵との内通」で有罪判決を受けた、アクシオン・フランセーズの総帥シャルル・モラスを題材に、「反独コラボ」について議論した論考である。一貫した反独姿勢が明白でありながら、モラスが「対独協力者」として訴追されたことは、近年の先行研究でも「不条理をもたらしかねない」判断だったと評価されている。実際の裁判記録を史料として利用し、その不条理ないし不合理について考察したこの論考は、対独協力者に対する粛清裁判の問題点を浮き彫りにすることをめざす本研究にとって重要な成果となった。 また、2022年度中に刊行されるまでには至らなかったものの、ヨーロッパ極右についての研究書の翻訳を仕上げた。対独協力者の残党が戦後ヨーロッパ各地で新たな極右運動を牽引したことを論証した本書の翻訳は、現代の極右ポピュリズムの問題だけでなく、対独協力者の戦後を考える本研究にとっても意義のある仕事であった。 そして、2月後半には漸く渡仏し、パリの国立文書館で史料調査に取り組むことができた。予想以上に膨大な量の文書が残されていることがわかった。したがって史料蒐集はまだまだ不十分と言わざるをえないが、入手できた一部をみるだけでも、粛清裁判では何が問題視されたのかが窺い知れたことは大きな成果である。次年度も引き続き、現地での史料調査を実行したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は、過去2年間で一度も実現できなかったフランスでの史料調査を実施することができた。したがって、漸く研究計画書に記したようなかたちで研究に取り組むことが可能となった。しかし、やはり渡仏できなかった過去2年のブランクが大きく、裁判資料の分析は大幅に遅れており、4年間を想定した本研究は全体としても依然として遅れていると言わざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
長期休暇を利用して渡仏し、史料の蒐集および分析に取り組む。ただし、上記のように粛清裁判の関連文書は予想以上に豊富に残されていることが判明したため、検討する史料の選別や限定を行う必要がある。時期で限定するか、文書の種類で限定するかはまだ思案中である。 また、2022年度に成果としてまとめるまでには至らなかった、1945~50年代半ばのフランス右翼の再編に関する研究発表ないし論文作成を行いたい。さらに、裁判記録を利用した分析をもとに、いずれかの研究会での研究発表と論文執筆を計画している。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)
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[Book] グレーゾーンと帝国2023
Author(s)
髙綱博文、門間卓也、関智英
Total Pages
536
Publisher
勉誠出版
ISBN
9784585320272
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[Book] 過去と向き合う2020
Author(s)
アンリ・ルソー、剣持 久木、末次 圭介、南 祐三
Total Pages
317
Publisher
吉田書店
ISBN
9784905497875
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