Project/Area Number |
20K13241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
道上 祥武 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (10827330)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 集落遺跡 / 居住様式 / 官衙 / 建築尺度 / 西日本 / 集落構造 / 集落動態 / 古墳時代 / 古代 / 構造分析 / 動態分析 / 尺度 / 建物 / 古墳時代から古代へ / 古代集落 / 建物群 / 農耕集落 / 生産集落 / 集落遺跡データベース / 建築 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、古墳時代から飛鳥・奈良時代における西日本の集落遺跡の分析を通して、古代地域社会の実態解明を目指す。西日本地域を対象とした集落遺跡データベース作成を基礎に、個々の集落遺跡に基づく古代集落像の具体的復元、消長や分布にみられる汎地域的な集落変動の把握による社会構造の変容と画期の解明を試みる。本研究を通して、地域社会の実態、列島的な社会変容とその背景にある古代国家形成過程を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、古代集落の構造復元に向けた分析、古墳と集落の関係性に関する分析、これらの研究成果の公表等の作業をおこなった。具体的な作業と成果は以下の通りである。 まず、全国の飛鳥~平安時代の集落遺跡で検出された竪穴建物・掘立柱建物を集成し、統計処理をおこなった。取り上げた竪穴建物は2162基、掘立柱建物1019棟である。これにより、当該時期の古代集落において竪穴建物は約14-18㎡、側柱建物は約21-23㎡が標準的な面積である可能性を示した。さらに、竪穴建物では21.6㎡以上を大型、10.4㎡以下を小型、側柱建物では29.4㎡以上を大型、14.7㎡以下を小型として把握した。こうして得られた竪穴建物の基本的な面積にもとづいて、古代集落を構成する人数について試算をおこなった。本成果は、第27回古代官衙・集落研究集会において口頭発表をおこなった(松島隆介・清野陽一・道上祥武「古代集落における「建物群」の把握に関する試算」)。この建物の統計処理および分析作業はその後も継続している。 昨年度開催された第26回古代官衙・集落研究集会における口頭発表の成果を論文として公表した(道上祥武2023「古代集落の構造把握にむけた中間まとめ」『古代集落の構造と変遷3』奈良文化財研究所)。 新たな試みとして、古墳と集落遺跡の関係性について分析をおこなった。具体的には、7世紀の伊勢地域および大和地域の集落と群集墳の関係性を考察し、古代集落が内包する建物群の数に対応するように、石室長5~6m前後、玄室長2~5m前後の横穴式石室をもつ古墳が築造されていた可能性を論じた(道上「畿内の古代集落と地域開発-墓域との関わりを中心に」第4回合同例会・第61回東京例会「古墳造営と地域開発」2023年10月14日)。 また、これまでの研究成果をまとめた書籍の出版に向けた編集および申請をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
集落構造の復元に向けた分析作業を着実に進めることができた。また、今年度は新たに集落と古墳、特に群集墳と集落の関係性についても分析をおこない、新たな知見を得ることできた。こうした状況を踏まえ、今年度も確実に研究作業を遂行することができたといえる。その一方で、これまでの研究成果をまとめた図書出版に向けた申請作業を進めたが、採択には至らなかった。以上の点を踏まえてこの評価とする。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は4年間の分析成果のとりまとめ作業に注力する。2020年度に実施した古代集落遺跡の集成、2021年度に実施した研究史整理および古代集落における倉庫の分析、2022年度に実施した古代集落が内包する建物群の分析、2023年度に実施した古代集落を構成する竪穴建物・掘立柱建物の規模と居住人数に関する分析を統合し、古代集落モデルの提示を目指す。本成果は第28回古代官衙・集落研究集会において公表予定である。上記の作業に際して、引き続き研究アシスタント1名を雇用する。
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