日常を美学化する詩的オラリティの人類学-タイ文化圏の声と文字の文化の比較研究
Project/Area Number |
20K13297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
伊藤 悟 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 外来研究員 (90633503)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 詩的オラリティ / タイ系民族 / 感性 / 声と文字 / 声の文化と文字の文化 |
Outline of Research at the Start |
近年、中国、タイ、ミャンマーのタイ系民族社会では声と文字の文化の草の根継承活動が活発であり、そこではこれまで無自覚に実践されてきた詩的オラリティの客体化と伝承体系の革新が起きている。本研究の目的は、日常を美学化する詩的オラリティを人々の主体的な世界づくりの技法としてとらえ、人類学的な調査と比較研究にもとづきその現代的意義を再考するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日常を美学化する詩的オラリティに着目し、その現代的意義を再考することを目的とするものである。事例として、中国、タイ、ミャンマーに暮らすタイ系民族の人びとが取り組む、声と文字の文化の草の根継承活動をとりあげ、個人が感覚的に共有してきた詩的オラリティの客体化と伝承体系の革新の過程について民族誌データにもとづく比較研究を行う。 本年度は、新型コロナウィルスの世界的流行による海外渡航制限の部分的解除により、ようやくタイ王国において現地調査を実施することができた。ただし、研究の遅れを考慮して調査地と対象を再検討し、本研究採択以前に調査研究を蓄積してきたチェンマイ県において調査を実施した。 本研究は、諸地域間における詩的オラリティを比較することに主眼をおいているが、現状では研究計画は遅れており、中国とミャンマーに関する研究はSNS等を通じた交流に限られている。このような状況のため、今年度もSNSを通じてインフォーマントと交流を続け、活動について情報を収集した。また本研究採択以前に収集したデータの整理、欧米などの研究機関に収蔵されているタイ系民族の文字経典・書物、そのたデジタル資料の把握につとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
引き続き新型コロナウィルスの世界的流行による海外渡航・入国規制により、現地調査の実施には慎重にならざるを得なかった。 このような状況のなか、本年度は初めてタイ王国へ渡航し、調査内容を見直しながら民族誌データ収集を実施できたものの、研究計画の遅れを取り戻せていない。 その他の調査対象地域については、引き続きSNSを通じて現地インフォーマントらの活動状況について情報収集を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
各国の渡航制限が緩和され始めたことで、次年度は積極的に現地調査に取り組む予定である。ただ、最終年度だけでは研究計画の遅れを完全に取り戻すことは難しく、研究期間の延長を考慮している。 こうした状況を踏まえ、本年度は少なくとも中国への海外渡航調査を計画し、引き続きSNS等を活用しながら調査対象地域の人びとと交流を継続してデータ収集に努め、人々の日常実践レベルの活動内容を把握したい。 また、比較や分析視座の批判的考察を兼ねて、日本国内における類似の実践についてもフィールドワークする機会を探る。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)