現代的な国際取引に対する規律のあり方―CISGの対応可能性について
Project/Area Number |
20K13328
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05030:International law-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University (2021-2022) University of Toyama (2020) |
Principal Investigator |
小池 未来 関西学院大学, 法学部, 講師 (60802270)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | CISG / ウィーン売買条約 |
Outline of Research at the Start |
本研究においては、「現代的な国際取引に対する規律として、『国際物品売買契約に関する国際連合条約(CISG)』で対応することは可能かつ適切であるのか」を出発点として、現代的な国際取引から生じる法的問題に対するCISGの規定の解釈及び改正について検討する。国際取引を取り巻く状況が大きく変化する中で、現代的な国際取引から発生する法的問題が複雑化しており、CISGの高度な解釈が必要になっているからである。 検討は、(i)契約の成立、(ii)当事者の義務、(iii)救済の方法という3つの視点から、CISGの解釈に関する諸外国の立法、学説、判決および仲裁判断を比較分析することによっておこなう。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1)個別の法的問題ごとに、現代的な国際取引に対する規律として、CISGで対応することは可能かつ適切であるのか(CISGの対応可能性)を明らかにし、(2)(1)が肯定される法的問題については、CISGの規定がどのように解釈されるべきであるか(CISGのあるべき解釈)について検討をおこなった。本年度は、具体的な個別の法的問題の対象としては、前年度に取り上げた国際取引の現代化に伴う契約上の義務の多様化(たとえば、ソフトウェアのインストールや特定の倫理基準の遵守等、物品が契約に適合していると判断されるための条件となり、これを満たす物品を引き渡すことが売主の義務となりうること)に応じた救済の方法の問題を取り上げた。CISGにおける救済の方法の中でも、契約解除及び代替品引渡請求は、重大な契約違反を要件としており、上記のように多様化した当事者の義務の違反が重大な契約違反になるかどうかが重要な論点であるところ、重大な契約違反の要件は柔軟で対応可能性に優れるが、解釈の明確化が予見可能性の観点から望まれる。この点について重点的に研究に取り組んだ。また、CISGには、不可抗力等によって契約上の義務の不履行が発生した場合における損害賠償責任の免責に関する規定はあるが、事情変更があった場合の契約の改訂に関する規定はない。後者については、UNIDROIT国際商事契約原則では規定されている。これが明文規定のないCISGのもとで利用可能であるのかについても研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題に対し一定の研究成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では、次年度において対外的な研究活動が可能であることが見込まれる。対外的な研究活動が制限される場合には、オンラインを活用するなどして当初の研究計画通り研究を推進したい。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)