発達障害を有する非行少年・不良行為少年への初期対応としての多機関連携の展開可能性
Project/Area Number |
20K13355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05050:Criminal law-related
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
宍倉 悠太 国士舘大学, 法学部, 准教授 (70575258)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 非行防止 / 多機関連携 / 発達障害 / 社会復帰 / 少年院 / 少年鑑別所 / 児童相談所 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、軽微な非行や不良行為を行った発達障害少年の初期対応の段階における「さらなる悪化防止」および「立ち直り支援」に焦点を当て、適正・有効な多機関連携による対応のあり方について検討する。 「知的な遅れの無い発達障害」や「知的障害の境界圏」にある児童生徒は、障害の発見が遅れることで二次障害を悪化させ、立ち直り(社会復帰)においても著しい困難を生じうることがある。本研究では、発達障害のある非行少年が有する問題及びその立ち直りに必要な諸条件の解明・剔出を行ったうえで、そうした諸条件を、発達障害少年による軽微な非行や不良行為の初期対応の段階において実現するための多機関連携のあり方について考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は従来の研究に加え、「NPO法人つなっぐ」が実施する「子どもの性被害への対応に関する実態調査」にメンバーとして加わる機会を得た。児童虐待や犯罪被害児童については研究対象外だったが、当該調査研究および各関係機関の実態調査の過程で、幼少期に性的被害を受けた児童が将来,性的な問題行動を行うようになる可能性があることや、小学生期における性的問題行動が漸増し、問題となっていることが判明した。また本年度は、台湾における性犯罪対策関連の実態調査を行う機会も得られた。その結果、将来の性被害・加害の防止という幅広い観点から、「児童期における性被害・加害の早期発見・早期予防のための多機関連携システム」を構築することの意義を確認できた。具体的な調査日程は以下のとおりである。 ①2023年9月5日(火)午前、福岡少年鑑別所訪問。午後、北九州少年サポートセンター訪問、非行予防のための多機関連携体制について意見交換を実施。 ②2023年11月26日(日)「子ども虐待防止学会」(於:立命館大学びわこ・くさつキャンパス)公募シンポジウム「子どものためのワンストップセンター(Children's Advocacy Center)の実践と展望」参加。「子どもの性被害への対応に関する実態調査について」報告。 ③2024年2月18日(日)-21日(水)台北刑務所、向日有機栽培農場(更生保護施設)、士林地方検察庁、台湾法務部訪問。台湾における犯罪情勢、犯罪者処遇システム、および「性侵害犯罪防治法」に基づく性犯罪者への対応システムに関する意見交換を実施。 ④2024年2月26日(月)-29日(木)大阪少年鑑別所、京都府家庭支援総合センター、京都少年鑑別所、東日本少年矯正医療・教育センター訪問。発達障害を有する非行少年に対する対応の現状と課題について意見交換を実施。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍が明け、本格的に実態調査を実施できるようになったものの、残る研究期間との関係で、研究開始当初に予定していた通りの計画を完全に遂行することは困難であった。 他方、昨年度までの研究の結果、研究開始当初に想定していた対象をより先鋭化し、「発達障害を有する触法少年による性加害行為」を中心に研究を遂行すべきとの結論に至った。そこで残る研究期間においては、今後さらに科研費等を獲得して研究を継続するにあたっての「パイロット調査の完遂」を第一目標として研究を実施することを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に実施した調査からは、発達障害を有する非行少年への対応に関する新たな知見を多く得ることができた。そうした知見に基づき今後は、発達障害を有する非行少年について、特にその性加害行為や性的問題行動に着目し、それらに対する多機関連携的対応を主たる研究対象としたい。と同時に、当初予定していた少年鑑別所による「地域援助業務」と、それが少年保護司法システムや児童福祉行政システムに与えた影響についても引き続き研究対象とすることとしたい。
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Report
(4 results)
Research Products
(3 results)