Project/Area Number |
20K13365
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University (2022) University of Toyama (2020-2021) |
Principal Investigator |
木戸 茜 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (30803043)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 契約法 / スマート農業 / データ契約 / 契約 / 契約理論 / 契約農産 / 契約栽培 |
Outline of Research at the Start |
近年、世界的な人口増加と農業従事者の減少により、食糧安全保障問題への対応が急務となっている。 わが国でも農業従事者の減少や高齢化は深刻であり、より生産性の高い農業を推進する取組みが進められている。ビッグ・データを活用したスマート農業やゲノム編集を用いた品種改良など、最先端技術の活躍が期待される一方、これらの新しい農業に関わる法的課題が顕在化しつつある。 本研究は現代農業の法的課題を指摘し、解決への道筋を示すことを試みるものである。特にスマート農業に関わる契約の締結・履行・紛争解決の場面を研究対象とすることで、継続して安定的に農業に取り組むことのできる取引環境の形成に寄与することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、世界的な人口増加と農業従事者の減少により、食糧安全保障問題への対応が急務となっている。私法統一国際協会(UNIDROIT)は、国連食糧農業機関(FAO)や国際農業開発基金(IFAD)と共同で長期プロジェクトを立ち上げ、農業に係る国際的法文書を精力的に公表している。このプロジェクトは、とりわけ地方の生産者と大手食品加工業者等との取引に着目し、公正かつ合理的な契約のあり方を示すことで、継続して安定的に農業に取り組むことのできる取引環境を作ることを目的としている。 翻って、わが国においても農業従事者の減少や高齢化は深刻な問題であり、より生産性の高い農業を推進する取組が進められている。ビッグデータやAIを活用したスマート農業やゲノム編集を用いた品種改良などの最先端技術の活躍が期待される一方で、これらの新しい農業に係る法的課題についての議論は始まったばかりである。 本研究課題は急速に変容する現代農業に着目し、顕在化しつつある課題―持続可能な農業や、最先端技術を利用した農業に係る法整備の必要性―をふまえたうえで、食糧安全保障問題の解決につながる契約法理論を示すことを試みるものである。 もっともスマート農業については、国内外いずれにおいても、研究対象となる仲裁例や裁判例の数は多くない。そこで、ひとまずスマート化に特有の法的課題をより具体化するため、農林水産省が公表した「農業分野におけるデータ契約ガイドライン」(平成30年12月)、及び経済産業省が公表した「情報システム・モデル取引・契約書〔第2版〕」(令和2年12月)を手がかりに研究を進めた。また、本研究課題は持続可能な開発目標とも密接に関わるため、関連図書及び書籍を収集し、特に大規模農業の偏重のもたらす弊害について分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、昨年度に引き続き、本研究課題における問題意識と今日的な農業の変容に関する実際の法的課題とのすり合わせを行うため、UNIDROITによるリーガルガイド(UNIDROIT, FAO and IFAD. 2015. UNIDROIT/FAO/IFAD Legal Guide on Contract Farming. Rome.)や、農林水産省が公表した「農業分野におけるデータ契約ガイドライン」(平成30年12月)を手掛かりとして分析を進めた。前者はUNIDROITが農産物の適正な取引のあり方を示すために公表した国際的法文書であり、後者は、ビッグ・データやAIを活用したスマート農業が実施される一方で、農業データの提供や利用に関する明確なルールが存在しないことを危惧し、農林水産省がデータ利用契約についてのガイドラインを定めたものである。 もっとも本研究課題が主に検討対象とする、ビッグ・データやAIを活用したスマート農業については、国内外いずれにおいても仲裁例や裁判例の数は多くない。そこで、ひとまずスマート化に特有の法的課題をより具体化するため、経済産業省が公表した「情報システム・モデル取引・契約書〔第2版〕」(令和2年12月)を手がかりに研究を進めた。さらに、農産物の取引と類似する性質を有する取引類型―継続的かつ相互依存的な性格を有する取引―であるシステム開発契約について、近年新たに出された高裁レベルの判断を分析した。 本年度の研究成果をまとめた論稿は、所属機関の刊行する『福祉社会研究』及び『法学セミナー』にて公表済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究計画の最終年度にあたるため、最終的な研究成果の執筆にとりかかる。 農産物の取引は一般的に、天候による不作など契約締結時に予測し配分することの難しいリスクを内包している他、長期かつ相互依存的な取引関係になることが多いことから、当事者の交渉力の格差がある場合にはいわゆる「ホールド・アップ状態」が生じ得る。こうした契約法的課題については、国内の先行研究の蓄積があるところである。そこで、こうした国内の議論を検討すると同時に、わが国における農業の現代化にまつわる具体的取引や紛争についても資料を収集し、それらの事案における契約法的課題を分析する。 国外の資料としては、FAO. 2018. Enabling Regulatory Frameworks for Contract Farming: FAO Legislative Study. Rome.及びFAO and IISD. 2018. Model Agreement for Responsible Contract Farming: with Commentary. Rome.を調査対象とする。これらはいずれも、生産者を一方当事者とする農産物の直接取引を想定し、適切な契約ルールを提示するものである。また、これらの文書において引用されているウィーン売買条約やUNIDROIT国際商事契約原則も、適宜参照する。さらに、FAOが公開している農産物の取引にかかわる契約書や、国際的な仲裁例及び裁判例についても、資料の収集と分析を行う。 国内の資料としては、「情報システム・モデル取引・契約書〔第2版〕」(令和2年12月)及び「農業分野におけるデータ契約ガイドライン」(平成30年12月) を引き続き研究対象とする。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)