Project/Area Number |
20K13486
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
栗田 健一 九州大学, 比較社会文化研究院, 講師 (10845978)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 模倣学習 / 集団ゲーム / 経済動学 / 安定性分析 / 公的扶助 / スティグマ / 統計的差別 / 納税者の怒り / ベーシック・インカム / 生活保護 / 漏給 / 不正受給 / バッシング / 所得再分配 / 不平等回避 / 羨望 / 公共政策 / 公共財 / 比較制度分析 / パネルデータ分析 / ベーシックインカム / 所得再分配政策 / 貧困 |
Outline of Research at the Start |
従来の生活保護に関する研究では,労働インセンティブが低下することや不正受給が生じることが指摘されてきた.しかし,既存の経済理論モデルでは,先進国,特に日本で深刻化している漏給の問題を説明することが困難であった.本研究では,福祉のスティグマ(社会的烙印)を考慮した漏給を分析可能なモデルを構築する.さらにそのモデルを用いて生活保護制度とベーシックインカム政策を比較し,より良い社会福祉政策の実現のための政策提言を行うことを目的とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、ベーシック・インカム制度と生活保護制度の比較分析を進めた。シミュレーションで用いるパラメータのカリブレーションを進めた。 第二の研究では、前年度に引き続き所得が低所得、中所得、高所得の3種類、スティグマに対する感度が連続的に分布している家計より構成される経済における生活保護制度とベーシック・インカム制度の政治的決定を考慮した政治経済モデルに関する分析を進めた。 第三の研究では、労働可能なタイプと労働不可能なタイプの2種類の家計が存在する経済において、生活保護受給者に対するスティグマ、漏給、そして不正受給が相互依存的に形成される理論モデルを分析した。特に、模倣学習(imitative learning)による動学モデルとして分析を行なった。さらに、統計的差別によるスティグマ形成と納税者の怒りによるスティグマ形成の2種類のスティグマ形成メカニズムを導入し比較した。主たる結果として、統計的差別によるスティグマにおいては内点の定常点が安定的ではなく、納税者の怒りによるスティグマにおいては内点の定常点が安定的であることを明らかにした。この結果は、納税者の怒りによるスティグマは生活保護制度における現実的な状況と整合的であることを示唆している。この研究成果を査読付き国際誌に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の一部を査読付き国際誌に掲載し、その他の研究もワーキングペーパーとして公開できる水準に達しているため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在分析中の研究を進め、研究成果を学会や国際会議で報告し、研究論文として査読付き国際学術誌に投稿する予定である。
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