Project/Area Number |
20K13522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
森田 薫夫 福岡大学, 経済学部, 講師 (00802737)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 最適課税 / 国際課税 / 租税競争 / 経済実験 / ピア・トゥ・ピア |
Outline of Research at the Start |
「第3者を介さない人から人への直接的な財・サービスの移転」であるピア・トゥ・ピアが普及する一方で、関連する経済活動を課税当局が補足できないことに起因した税務執行上の課題が顕在化している。例えば、スマートフォンのアプリによって自動車の運転手と顧客をマッチングする事業については、自動車の運転手が個人事業主とアプリを提供する企業の従業員のどちらとして扱われるかによって、所得税負担が異なりうる。本研究では最適課税理論に基づき、P2Pの経済活動を考慮した場合の社会的に望ましい租税政策のあり方についての考察を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究課題における主たるテーマである、家庭内生産を考慮した最適課税問題に関連して、二つの観点から検討を行った。 第一に、本問題の構造的な特徴として、政府が家庭内と家庭外という二つの異なる経済活動に直面していることにある。同様の特徴は多国籍企業の誘致という文脈においても見られる。この場合、政府は多国籍企業と国内企業という異なる経済主体による経済活動に直面している。多国籍企業の誘致が成功すると、国外からの輸入費用を負担する必要がなくなり、自国内の消費者の厚生は改善すると考えられる。他方で、国内企業は国内の市場のシェアを失う。このようなトレードオフを理論的に捉えるべく、既存研究とそれを踏まえて拡張の余地を検討した。特に、自国内の生産活動における生産性の多寡に応じて、このトレードオフの関係がどのように変容するかを分析する。経済モデルにおいては、労働供給曲線の傾斜を生産性のパラメータとして分析を進めることを考案している。 第二に、家庭内生産の具体的な例として、子育てが挙げられる。子育てには費用と便益が伴うのは論を待たないが、その多寡は子どもの誕生のタイミングに依存する。例えば、これからキャリアを築くというタイミングで子どもが誕生するとキャリアの形成に影響が生じる一方で、キャリアをある程度築いたのちに子育てを行う場合においては子育てに時間を割く機会費用が高い。より具体的に家庭内生産を捉えるために、子育てのタイミングを理論的に分析した既存研究を精査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記「研究実績の概要」に記述したように、研究課題の構造的な特徴を捉え、より現実的な経済問題に落とし込む過程で、当初の研究計画で想定した文献とはやや分野の異なる既存研究を精査する必要が生じた。そのため、新規性を十分に備えた研究結果を論文としてまとめるには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
家庭内生産を考慮した最適課税問題と本質的に通ずる、多国籍企業の最適な誘致政策のあり方について研究を継続する。また、子育てのタイミングを考慮した最適課税問題についても研究を継続する。研究成果は、可能な限り迅速に、学術論文としてまとめる。
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