Project/Area Number |
20K13660
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
笠岡 恵理子 大阪成蹊大学, 経営学部, 准教授 (40755815)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 国際財務報告基準 / ASEAN / 強制適用 / コンバージェンス / IFRS / 国際会計基準 |
Outline of Research at the Start |
世界で多くの国がIFRSを適用する中、ASEAN諸国のうちインドネシア、ベトナムおよびタイについてはIFRSとコンバージェンスを行っている。これは、これらの国々が持つ文化的および社会的特性が大きく影響していると考えられる。そのため、本研究ではこれらの国におけるコンバージェンスの状況とその国の文化的および社会的特性が会計基準の設定に与える影響、およびIFRSとの差異が財務諸表に与える影響について考察する。その上で、ASEAN諸国におけるIFRSの適用状況と財務情報の比較可能性および企業価値への影響について検討していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現在160を超えるの法域がIFRSを適用する中、ASEANにおいてIFRSの適用が利害関係者に、より有用な財務情報を提供しているのかについて明らかにすることを目的としている。そのため、ASEAN諸国の文化的および社会的特性が会計基準設定に与える影響、IFRSとの差異が財務諸表に与える影響等について検討する。 これまで、IFRSとコンバージェンスを行う国であるインドネシアおよびタイ、および自国基準を適用するベトナムを中心に研究を行ってきた。なお、タイについては、現在IFRS適用国となっている。そして、これらの国を含んだASEANにおけるIFRSの適用状況と各国の経済状況、他国との経済的関係、法制度、文化等を含んだ社会的および文化的影響について考察し、これらの要素がIFRS適用に影響を与えていることを明らかにした。また、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、およびマレーシアに焦点を当て、これらの国においてIFRSを適用もしくはコンバージェンスを行った際に、財務諸表にどのような影響を与えたかについて研究を行った。 2023年度については、インドネシアおよびタイを訪問し、大学教員や実務家の方にそれぞれの国における文化的および社会的特性、IFRS適用時の問題点、日本の企業がそれらの国に進出する際の会計的課題、会計システム、会計士制度などについて取材を行った。この取材調査から、インドネシアでは、インドネシアにおける社会的背景、イスラム教に基づいたシャリア会計などの影響により、コンバージェンスを行っている。また、実務では、これまで規則主義に基づいていたことから、原則主義に基づいた財務諸表を作成することに難しさがあることが明らかとなった。また、タイについては、金融商品に関する会計基準について、実務においてなかなか理解が進まず、適用に長い時間を要したことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度から2022年度はコロナの影響により、当初計画していた海外渡航が難しく、延期を余儀なくされた。そのため、現状は当初の研究計画よりも、やや遅れていると考えられる。しかしながら、2020年度から2022年度において、インドネシア、タイおよびベトナムにおけるIFRS適用の経緯および現状、各国の社会的および文化的要素の影響などについて研究を行い、それらに基づいて、2023年度においてインドネシアおよびタイを訪問し、取材調査を行うことができた。取材において、各国の基準とIFRSとの相違点、実務的視点からIFRSの強制適用が難しい理由、日本企業がインドネシアおよびタイに進出する際の問題点、サステナビリティ・リポートへの関心などについて調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度については、上場企業の財務データがあるインドネシア、シンガポール、タイ、フィリピンおよびマレーシアにおけるIFRS適用もしくはコンバージェンスの状況と各国の社会的および文化的要素との関連性について実証研究を行っていく予定である。また、これまでインドネシアおよびタイを訪問したことから、2024年度はマレーシアを訪問し、大学、現地における企業などでIFRSの適用状況、IFRS適用時の実務における問題点、IFRS適用の経緯におけるマレーシア経済の影響、マレーシアの会計制度などについて取材調査を行う計画である。
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