ホームヘルパーが利用者から受けているハラスメントの実態と要因に関する研究
Project/Area Number |
20K13673
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
辻 真美 高知県立大学, 社会福祉学部, 講師 (00551251)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | ホームヘルパー / 利用者から受けるハラスメント / 実態把握 / 発生要因 / 労働環境 / ハラスメントの内容 / 訪問介護 / ハラスメント |
Outline of Research at the Start |
超高齢社会に対応すべくホームヘルパーの役割がより重要となる一方で、離職率が高い等の理由から、人材不足の現状がある。離職率が高い要因の一つとして、利用者から受けるハラスメントがある。対策として、厚生労働省はマニュアルを作成したが、当該マニュアルは訪問看護師を考慮したものであるため、ヘルパーの実態に即していない。そのためヘルパー独自の対策を講じる必要がある。本研究は、ヘルパーが、利用者から受けるハラスメントについての実態を明らかにするとともに、その発生の要因を分析することを目的とする。研究方法は、ヘルパーとその上司にあたる管理者及びサービス提供責任者に対し実態把握を目的とする質的調査を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ホームヘルパー(以下、ヘルパー)が、訪問時に利用者から受けるハラスメントについての実態を明らかにするとともに、その発生の要因を分析することを目的としている。令和4年度は、ヘルパーへの質問紙調査を実施し、総数31人から回答を得られ、その結果をもとに分析を行った。また、確認できたヘルパーが受けるハラスメントの特徴や傾向をもとに、再度インタビューガイドを精査し、ヘルパー3名へのインタビュー調査を追加して実施した。そのデータは、現在、整理・分析中である。 論文として公表した研究成果をまとめると次のとおりである。ヘルパーは、様々なハラスメントを受けており、頻度の多かった精神的なハラスメントは、同時に、ヘルパーとして最もつらく深刻だったハラスメントとなっていることが分かった。 ヘルパーが体験した最もつらく深刻なハラスメントとしては、【一方的に訪問を拒否される】や【無理難題を押し付けられる】【疑われ、信じてもらえない】【サービスを通して、人格を疑われる】等、11のサブカテゴリーが抽出された。さらに、ヘルパーは、周囲の関係者や家族からもハラスメントから守られず、解決してもらえない辛い状況に置かれていることが分かった。これらの結果をみる限り、改めて、ヘルパーに対するハラスメント対策は早急に取り組むべき課題であると考える。特に、深刻なハラスメントを受けながらも、ヘルパーは、利用者への思い、矜持を持って訪問を続けている。ヘルパーの苦痛は、いかに辛い状況にあってもサービスを受ける権利を保障しようと考え、利用者宅に出向いていくからこそ、続いているのではないだろうか。この「ヘルパーの矜持」とは一体どういうものか、さらに、詳しく知る必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度の研究実施計画として、インタビュー調査の整理・分析を進めていたが、データが十分でないため、調査を継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、追加調査に協力してくださる訪問介護事業所にアポイントを取っている。令和5年度は、継続中のヘルパーに対するインタビュー調査を行い、データを増やし精度を上げていきながら、整理分析を進め、結果を公表していく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)