Project/Area Number |
20K13680
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
張 寿山 明治大学, 研究・知財戦略機構(和泉), 研究推進員 (30838173)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 法人格 / スポーツ・アソシエーション / 総合型地域スポーツクラブ / 社会関係資本 / スポーツの公益性 / 協同組合 / パトロン / 非営利組織 / 総合型地域津ポーツクラブ / 互酬 / みるスポーツ / 公益 / スポーツくじ / 部活の外部委託 / スポーツ非営利法人 / スポーツ組織論 / 社会的企業 / スポーツクラブ / 公論の形成 / 新制度派経済学 / 企業所有論 / スポーツアソシエーション |
Outline of Research at the Start |
スポーツ事業が市場原理に基づく高い営利性を持ち始めている一方で、スポーツ事業は高い公益性を持つとの主張も社会的に認知されている。そしてスポーツ事業を行う組織が多くの問題を抱えていることも広く指摘されている。保持する権限や予算に不釣り合いな稚拙で不透明な運営管理、補助金に頼る体質、ガバナンスの不備、経営人材の欠如等が原因とされる不祥事は毎年のように繰り返されている。本研究は、このような問題の背景には、日本において営利性と公益性の双方を統合して経営する事が可能な組織制度が準備されていないことがあるとの仮説のもとで、協同組合型のスポーツ組織創設による問題解決の可能性を、政策面を中心に検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
コロナのパンデミックにより実施が難しかった海外渡航を伴う現地調査がようやく可能となり、8月に待望のイングランドにおける現地調査を行った。日本で言えば都道府県リーグレベルのフットボールクラブの男女それぞれの試合環境調査、クラブ関係者へのインタビュー、イングランドにおける協同組合型フットボールクラブの制度整備を主張しているFSA(Football Supporters' Association)の複数のキーパーソンにもインタビューを行い、イングランドにおけるグラスルーツレベルのスポーツクラブの現状と課題について確認することができた。また、マンチェスタ市の地域FAにおいて障害者スポーツ、生涯スポーツの推進・普及の担当者にもインタビューを行い、グラスルーツレベルのスポーツにおける大きなテーマである障害者スポーツ、生涯スポーツに対してどのような取り組みをしているのかを確認することができた。このほかにも、障害者スポーツの一つであるイングランドのブラインドサッカー代表チーム関係者、イングランドで考案され生涯スポーツとして注目されているウォーキングフットボールの普及・推進の中心人物にも会って話を聞くことができた。これらの情報を整理して、他の研究者も利用できる形で提供できるようにしたい。 また、この間行っていた理論的研究の成果として2本の査読論文が学会誌に掲載された。一つは本研究のもつスポーツ産業における意義を示しており、もう1本は組織制度論に基づき本研究の視点と主張が高い合理性を持つことを示す内容であり、これにより本研究課題の意味と重要性を明確に示すことができたと考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により研究活動には大きな制約があったが、この間に行った理論研究に基づく2本の論文の公開により、研究のもつ意義をより明確に示すことができた。また、ようやく行えた現地調査により、この意義を具体的に示す情報・知見を増やすこともできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
科研費の適用期間が1年間延長されたことで、再度の現地調査活動を行い、より多くの情報・知見を得た上で研究の成果をまとめる機会をいただけることとなった。イングランドに関しては昨年度調査を行い、不足する部分については問い合わせ等を通じて情報・知見を得ることが可能となったので、イングランド以外の国における情報・知見を得るべく調査訪問の計画を作成している。ネット上や文献では得られない情報を得るためには、具体的な活動への参与観察と、そのキーパーソンへのインタビューの両方が重要であり、このような条件を満たすことが可能な訪問先を、ドイツ、スペイン、スイス、オランダ等の関係先と連絡を取り合いながら確定していきたいと考えている。イングランド以外の具体的な知見を得ることで、協同組合型のスポーツクラブがスポーツ発祥の地ヨーロッパにおいては普遍性を持つ制度であることを立証できる知見・情報をまとめて提示したいと考えている。
|