社会福祉とソーシャルワークの理論乖離の克服に関する研究
Project/Area Number |
20K13749
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
直島 克樹 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (70515832)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | システムの変容 / 社会福祉内発的発展論 / ソーシャルワーク / 地域の居場所 / こども食堂 / 小地域 / ミクロ・メゾ・マクロ / システム / 複雑系の科学 / ストレングス視点 / ミクローメゾーマクロ / 力動性 / ストレングス / エンパワメント / 自己組織性 / 社会福祉理論 / 公私関係 / システム理論 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、社会福祉学における理論研究の低迷が、社会福祉とソーシャルワークの理論乖離の状態にあると考え、その状態を克服するため、それぞれの理論到達点を焦点化し、両者の持つ力動性のもとに位置付け直していくことを目指している。また、見出された力動性の原理が、実際の支援活動の中で実証的に明らかになるかどうかを検討するとともに、実践活動においてどのように方向性を示し、意義を有するかどうかを、検証していくことを目的としている。これらのことを通じ、今後の社会福祉学が持つべき理論構築を進めていくことを目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度においては、これまでのソーシャルワークに関する理論的検討に加え、これからの社会福祉理論を検討していくために、これまでの社会福祉学会における理論や思想の回顧と展望を整理しつつ、同時に、近年広がりつつあるこども食堂などの居場所にも着目し、インタビュー等も実施しつつ以下の点について明らかにした。 第一に、社会福祉の理論は、困難な社会状況に対する「バネ」、「歯止め」の役割を持つことが必要不可欠であり、ソーシャルワークの理論的検討で見出したシステム変容との結びつきを見い出すことが出来た。また、社会福祉における思想は、困難を生み出しているシステムの変容を図る上で無くてはならないものであり、現状を変革していくための基盤となることを整理した。 第二に、地域におけるこども食堂へのアンケート調査の結果から、こども食堂が小地域におけるつながりをつくってきていることが明らかとなった。そのことは、社会福祉の変革を説明する社会福祉内発的発展論におけるオイコスの原理をこども食堂が担う可能性を示しており、地域のこども食堂などの居場所の構築が、これからの社会福祉理論とソーシャルワーク理論をつなぐ結節点になりうることを見出した。 そして第三に、こどもの貧困等に関わる居場所へのインタビューを実施し、その居場所を通じた支援が、ソーシャルワークのミクロからマクロまでの機能を担っている実態へのデータを得ることができた。それは、社会福祉理論とソーシャルワーク理論の乖離を、地域の居場所を通じて克服できる可能性を示唆するものといえ、今後さらなる分析と考察を進めていくことの必要性を見出すことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度前半については、新型コロナウイルスの影響もあり、予定していたインタビューの実施が先方の都合で困難であり、年度後半に予定がズレ込んだことで、分析が終了していないことが遅れていると判断した理由である。また、こども食堂に関するアンケート調査の分析が遅れたこともあり、現在学会発表までは終えているが、予定していた論文の作成が途中であることもやや遅れていると判断した理由の一つである。同時に、社会福祉理論に関する文献研究を進めているが、その内容が多岐に渡り、整理が遅れ、論文としてまとめきれていないこともやや遅れていると考える理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度においては、年度の中頃には再度子どもの貧困等に関わる居場所へのインタビューを実施し、すでに実施している内容等に関しては学会発表、論文投稿を行っていく予定である。また、社会福祉理論に関する先行研究整理を進め、論文を作成し、投稿していきたいと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)