Project/Area Number |
20K13864
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Showa Women's University (2021-2023) Sakushin Gakuin University Women's College (2020) |
Principal Investigator |
伊藤 敦広 昭和女子大学, 人間社会学部, 講師 (30781843)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | ミュージアム / 陶冶、教養 / フンボルト / 教育思想史 / ヘルダー / 大学 / 道徳 / 教育哲学 / 人間形成論 / 制度 / 倫理 / プロイセン / 人間形成 / 陶冶 / 人間形成論(陶冶理論) |
Outline of Research at the Start |
18・19世紀プロイセンの政治家フンボルトは、独自の人間形成論(陶冶理論)にもとづき教育制度改革(1809-1810)を成し遂げたことで知られる。だが1820年代以降、フンボルトを中心として構想・実践されたベルリン・ミュージアムの意義については、教育思想史研究では十分に検討されていない。 本研究はこのミュージアム構想・実践の全容を解明すること、これが西洋教育思想史の流れにどのように位置づけられるかを検証することを目的とする。ミュージアムの創設を主導した「プロイセン国芸術愛好者協会」の文書などを分析することで、当時の知識人が芸術作品を介した人間形成実践をどのように試みたかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
19世紀プロイセンにおけるミュージアム政策の教育思想史的検討を主題とする本研究は、研究4年目に当たる令和5年度において、前年度の成果を踏まえつつ、ミュージアム政策の検討を行なっている。しかし現時点で、その内容を直接的に示す成果が出ているわけではない。 しかし、令和5年度中に、ベルリン・ミュージアム設立の責任者であったヴィルヘルム・フォン・フンボルトの人間形成論を論じた、教育哲学会編『教育哲学事典』(分担執筆、担当:「フンボルト」、丸善出版、2023年7月)が公刊された。また、ドイツの思想家ヘルダーを中心に人間の美的・感覚的形成のあり方を教育思想史的に論じた研究書の翻訳(ハンス-リューディガー・ミュラー『ヘルダー人間学』福村出版、共訳、2023年9月)も公刊された。後者は、美と感性というミュージアムにおける美的人間形成の意義を論じる際の理論的背景にもなりうる成果であると認識している。さらに、論文「イデオローグ・ジュリアン・フンボルト:文化転移研究のための一つの視点」 (教育思想史学会編『近代教育フォーラム』第32号、2023年9月)が公刊された。本論文は、教育思想史学会に所属する研究者の論文に対するコメント論文という性質のものであるが、フランス感覚論哲学の代表者であるコンディヤックの影響を強く受けたフランスの一群の思想家であるイデオローグ(観念学派)に着目して、比較教育学の祖であるジュリアンとフンボルトの教育論・人間形成論の特性について考察した。本論文は、18・19世紀の独仏の思想状況等を取り扱うという意味で、本研究課題とは間接的に関わるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題においては、新型コロナウイルス感染拡大の長期化に伴い文献調査・実地調査等に関する当初の計画が遂行できなかった。また、令和4年度におこなったドイツ・ベルリンでの文献調査・実地調査において、当初期待された史資料の発見に至らなかった。それに伴い、期間を延長することになった。令和5年度は本研究課題を通じて得られたさまざまな成果を、学術雑誌等の媒体に公表することを予定していたが、昨年は大きな進展が見られず、期間中に発表するところまで至らなかった。 上記の理由から、進捗状況は「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は補助事業期間を再度延長し、令和6年度を最終年度として計画を立て直した。 最終年度は本研究課題を通じて得られたさまざまな成果を、学術雑誌等の媒体に公表できるよう研究を進める。
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