リーディング・ワークショップによる読むことの学習の改善に関する研究
Project/Area Number |
20K13984
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | University of Tsukuba (2021-2022) Toyo University (2020) |
Principal Investigator |
勝田 光 筑波大学, 人間系, 助教 (30792113)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 日本のリーディング・ワークショップ / アメリカのリーディング・ワークショップ / 国語科における典型的な読みの授業の起源 / 読みの教育研究の基礎研究、臨床研究、移行研究 / リーディング・ワークショップ / ライティング・ワークショップ / ブック・クラブ / 典型的な国語の授業 / リテラシー・センター / 長編小説を読む活動 / 手引きのある指導 / 知識の習得と創造的活動 / 自立した読み手 / 教科書ベースの授業 / 個人学習 / 共同学習 / 一斉指導 / 読むことと書くこととの関連 / アメリカの読むことの学習指導 / グループ学習 / 自律した読み手 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、国語科で自律した読み手を育てるためにリーディング・ワークショップの有効性を検証する。生徒が読みたい本を選んで一人で読む時間を核とし、その間、教師がカンファランスを行うリーディング・ワークショップは、一斉指導やグループ学習など国語科でよく行われてきた指導法と異なり、個人学習が中心となる。熟達者になるための学習モデルを踏まえれば、一斉指導やグループ学習だけでなく、個人学習も不可欠である。将来、目的に応じて本を選び、その目的にあった読み方ができる自律した読み手を育てるために、一斉指導とグループ学習、個人学習をどう組み合わせて指導すれば良いか、本研究を通じて明らかにしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、前年度実施した軽井沢風越学園におけるフィールド調査で収集した澤田英輔氏によるリーディング・ワークショップの実践記録の分析と論文執筆を行った。澤田氏による1年間の実践を復元し、必要に応じてトランスクリプトと英訳を作成した。また、生徒の成果物や澤田氏によるカンファランス記録なども必要に応じてトランスクリプトと英訳を作成した。現在、データ分析と必要資料の英訳、論文執筆をほぼ終えた状況である。なお、データの分析過程において、澤田氏とオンラインによる協議も実施した。 また、アメリカにおけるリーディング・ワークショップの動向を探るため、文献を収集して読み込むと同時に、12月に開催されたLiteracy Research Associationの年次大会に参加して、アリゾナ州立大学准教授Lindsey Moses氏と面会し、インタビューを実施した。現在のアメリカにおけるリーディング・ワークショップの動向に加えて、Moses氏が小学校教員時代にリーディング・ワークショップに興味を持つに至ったきっかけや影響を受けた理論家・実践家について聞くことができた。 上記に加えて、リーディング・ワークショップを国語科で実践することの意義を明らかにするため、日本の読むことの学習指導の実践・研究に関する文献研究も行った。具体的には、国語科における読むことの学習指導の実践史において最も著名な芦田恵之助による「冬景色」を教材にした実践を取り上げて英訳すると同時に、「国語科における典型的な読みの授業の起源」として意義づけ、学術雑誌Journal of Language Teachingに発表した。さらに、国語科における読むことの学習指導の研究史について、ワクチン研究との類推から基礎研究,臨床研究、移行研究という枠組みでレビューし、学術雑誌『読書科学』に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した軽井沢風越学園におけるフィールド調査で収集した澤田英輔氏によるリーディング・ワークショップの実践の分析と論文執筆はほぼ終えることができた。当初、年度末にInternational Literacy Associationが刊行する学術雑誌The Reading Teacher に投稿予定であったが、シンガポールの読みの教育の研究者Loh Chin Ee氏にRoutledge Research in Literacy Series: The Reading Lives of Teensに寄稿する誘いを受け、そちらに投稿することに変更した。締め切りが2023年7月末であったため、未だ投稿していない。 2022年度、アメリカに渡航する予定はなかったが、コロナ禍における海外渡航の制限が緩和されたため、2年ぶりにLiterary Research Associationの年次大会に参加し、かつてリーディング・ワークショップの実践を小学校で行い、現在はアリゾナ州立大学で働くLindsey Moses氏から情報収集できたことは、本研究を進める上で良かったと考えている。 また、国内の読むことの学習指導の実践・研究に関する文献調査は、予定通りないしは予定以上に進めることができ、学術雑誌に2本論文を発表することができた。 以上、細かい点では変更点があるが、全体としてはおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2023年度は、本科研の中心的な成果である軽井沢風越学園の澤田英輔氏の実践を分析した結果について、国際リテラシー学会とフィリピン読書学会の共催で7月にマニラで開催される大会で発表し、その後、Routledge Research in Literacy Seriesの一冊として刊行される予定のInternational Perspectives on the Reading Lives of Teens in Contemporary Timesのために投稿することである。この過程において澤田英輔氏とオンラインと対面で丁寧な議論を積みかさね、必要に応じて軽井沢風越学園に訪問したい。 もう一つは、シカゴでリーディング・ワークショップの実践を行う小学校教諭Cindy Gerwin氏の実践を観察し、アメリカで実践されているリーディング・ワークショップへの理解を深め、日本で実践するための示唆を得ることである。Cindy Gerwin氏が昨年12月に来日した時、口頭で授業観察の承諾を得て、現在のところ2024年2月に3週間程度で渡米することを予定している。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)