幼児教育と小学校教育の円滑な接続を実現する「ことば」の教育カリキュラムの開発
Project/Area Number |
20K14010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Ritsumeikan University (2021-2022) Fukuyama City University (2020) |
Principal Investigator |
春木 憂 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (60825363)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 幼小接続期教育 / 領域「言葉」 / 教科「国語」 / 言語発達 / 読むこと / 音韻意識 / 幼小接続期カリキュラム / 幼児教育 / 小学校教育 / 国語科教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,幼児教育と小学校教育の円滑な接続の実現を目指した,「ことば」(領域「言葉」と教科「国語」で扱われる言語を包含する,子どもが使用する言語全般)に関する幼小接続期カリキュラム(アプローチカリキュラム,スタートカリキュラム)を開発し,その効果について保育・教育実践場面において臨床的に検証することである。 そのために,(1)A市の「ことば」に関する接続期カリキュラムの計画実態を把握し,(2)幼児・児童の「ことば」に関する獲得や発達と保育・教育の実態を把握する。その結果に基づき,(3)「ことば」に関する接続期カリキュラムを開発する。さらに,(4)提案したカリキュラムの効果について検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
第一に,2021年度に見出した方向性に基づき,幼小接続期カリキュラムの実践実態及び幼児や児童の「ことば」の発達に関する実態を知るために,研究協力学校園及び学級を限定して2校(公立校1,附属校1)各1学級を対象とし,年間を通した継続的な実地調査を実施した。具体的には,研究協力校の同意を得たうえで,国語科授業を中心とした録画録音データ及び児童の記述データの収集を,担当教員の協力を得ながら継続した。また,各学級に年間7回程度赴き,現地での授業及び生活観察を行った。併せて,学校長及び担当教員との授業カンファレンス及び聞き取りによって,教員や児童,授業に関わる情報提供を受けた。 第二に,「平仮名や片仮名の誤表記がエンコーディングやデコーディングにかかわる課題によるものである場合,「読むこと」の学習に支障をきたすこと」についての検証を目的とした実験的調査(方法等については公開前のため情報開示を控える)を実施した。対象とする第1学年の時期は,身体や感情等のコンディションによって安定的なパフォーマンスをすることが難しい傾向がある。そのため,年間を通して訪問を継続し,少なくとも「知っている人」「話したことがある人」という関係を構築した。これにより,過度の緊張や非日常といった要素を抑えることができ,日常に近い形の児童のパフォーマンスが収録された。この点は,担当教員及び学校長との検証によって認められた。 以上より得られた各種データについて,児童期の発達及び教育の実態についての分析を行った。授業者とともに,授業記録の文字起こしや児童の記述(ノート,プリント等),観察における観察者の気づき,実験的調査の結果等をもとに検討した。 これらの調査及び分析と並行して,領域「言葉」及び「国語科」,幼小接続期カリキュラム,言語学,発達言語学に関する文献調査によって,音韻論,形態論を中心とした理論の検討をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度のフィールドの変更及び進捗状況を踏まえて,当初の計画を再考し,修正した。カリキュラム構築に向けて,接続期における児童の「ことば」の実態を明らかにすることを目的としたフィールド調査(実態調査及び実験的調査)を研究計画の中心に据えたことにより,修正計画上は順調に進行している。また,新たな研究協力学校園との情報共有や調整,調査が順調に進んだ。調査に使用するビデオカメラやICレコーダー等機材が十分に確保された状態で調査を進めることができた。 一方,2021年度に引き続き,幼児教育の現場における感染防止対策や多忙化により,幼児の実態についてのフィールド調査の実施が困難であった。そのため,当初計画で設定していた幼児教育に関わるデータの整理と分析はもとより,そのもととなるデータの収集が行えたとは言い難い状況である。このような事情と,先述の計画修正により,当初計画にある「ことば」の発達実態に基づいた幼小接続期カリキュラムの構築には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,研究協力いただく幼児教育施設の同意を得たうえで,幼児の「ことば」の獲得や発達,「ことば」に関する幼児教育の実態調査を早急に進める。特に,読み聞かせ場面に着目し,幼児の発話や行動についてデータを収集する。併せて,小学校における各種調査を継続し,実態調査の精度を高めたい。 また,調査結果をもとに幼小接続期の幼児及び児童の「ことば」の発達,保育・教育の実態を分析する。各種調査から得られた結果を統合しながら,保育者,教育者による援助や介入,指導,活動,授業,環境構成等といった,言語発達を支える支援の方法を含めた幼小接続期カリキュラムを構築する。 さらに,提案する接続期カリキュラムの実践に向けて,準備を整える。研究協力学校園の同意を得たうえで,研究計画の共有を図りつつ,記録用ビデオカメラ,ICレコーダーを使用した幼児及び児童の実態や,言語発達及び接続期カリキュラムに関する分析フレームワークについて調査方法を提示し,機材等の準備を進める。 並行して,理論面の研究を継続し,幼小接続期の「ことば」の教育について,音韻論に加えて形態論や統語論,また,それぞれのインターフェイスから検討を重ねる。加えて,円滑な幼小接続の具現化のために,領域「言葉」,国語科に限定せず,教科等横断的,総合的に「ことば」の教育について構想する。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)