小中学生における発達障害特性とソーシャル・キャピタルと抑うつ/QOLとの関連
Project/Area Number |
20K14043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
森 裕幸 弘前大学, 医学研究科, 特任助手 (60848307)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 社会資源 / 小学生 / 中学生 / 思春期 / 抑うつ / QoL / メンタルヘルス / 自閉症スペクトラム障害 / ADHD / 児童思春期 |
Outline of Research at the Start |
自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症といった神経発達障害を有する子どもは、メンタルヘルスの問題(抑うつ傾向等)を抱えやすいことがわかっている。近年、メンタル ヘルスに影響を与える要因としてソーシャル・キャピタル(社会的資源)が注目されている。 ソーシャル・キャピタルは生活の質を高め、抑うつを予防する可能性が示唆されているが、 児童思春期において検証した研究は国際的にも少なく、発達障害を対象に含めた研究はない。そこで、本研究では、発達障害特性を有する児童生徒においてソーシャル・キャピタル が抑うつの保護因子や生活の質を高める効果があるのかを明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発達障害特性を有する児童生徒においてソーシャル・キャピタルが抑うつの保護因子や生活の質(Quality of Life; QoL)を高める効果があるのかを明らかにすることを目的とする。 児童思春期におけるソーシャル・キャピタルと抑うつ、QoLとの関連について国際的に研究が少ない。さらに、ソーシャル・キャピタルを測定する尺度として妥当性及び信頼性が検証された尺度を使用した研究はほとんどない。そのため、初年度は妥当性及び信頼性が検証されたSocial Capital Questionnaire for Adolescent Students (SCQ-AS) の日本版を使用し、小学生3,722名、中学生3,987名を対象にソーシャル・キャピタルと抑うつ、QoLの関連について検証を行った。また、先行研究より児童と思春期によるソーシャル・キャピタルの関連に違いが示唆されていることから、小学生と中学生の校種におけるソーシャル・キャピタルの関連についても検証した。その結果、ソーシャル・キャピタルが高いほど抑うつ症状が低く、QoLが高くなる結果が示された。全ての下位因子(学校:地域:安全感)が抑うつとQoLに関連しており、中でも学校ソーシャル・キャピタルが最も強い関連を示していた。また、各下位因子と校種において交互作用が見られた。中学生は小学生よりも学校SCが高くなるほど抑うつが低くなりやすく、小学生は中学生よりも学校SCが高くなるほど、QoLが高くなりやすいことがわかった。加えて、小学生は中学生より地域SCが高いほど、QoLが高くなりやすいこともわかり、小中学生のメンタルヘルスに与えるSCの影響が異なることが示唆された。これらのことから、SCの中でも学校SCが児童青年期におけるメンタルヘルスの問題を減少させることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要の通り、ソーシャル・キャピタルが児童思春期のメンタルヘルスの問題を減少させることが示唆され、発達障害特性を有する子どもたちにとっても同様の結果が得られることが期待される。当初の計画通り、一連の研究過程が進行していると判断できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、学校コホート調査から得られるデータと前年度までに取得したデータと接続し、発達障害特性とソーシャル・キャピタルと抑うつ、QoLの関連について検証を行う予定である。ただし、現在、新型コロナウイルスの影響で当初予定していた形式での学校コホート調査の実施が難しい状況にある。実施形式については、今後の社会状況も踏まえつつ、可能な範囲で調査及び本課題を遂行する計画を立てている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)