Project/Area Number |
20K14136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
安斎 聡子 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (60847250)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 戦争記憶 / 継承 / 環境 / 慰霊 / 体験性 / 記憶 / 遺構 / 場所性 / 記憶の継承 / 想起 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,出来事の体験者の記憶が,その直接体験をもたない世代(=継承者)に受け継がれる際,出来事の痕跡(遺構)が存在すること,その痕跡との接触の程度がどのような影響を与えているのかを明らかにすることを目的としている。度重なる自然災害や戦後75年を経て,記憶の継承は社会の要請とされ,遺構保存の是非が議論になるが,その保存の効果は実証的に明らかになっているとはいえない。本研究はこの問いに応えることをめざすものである。調査は第二次世界大戦中地上戦が行われ,今なお戦争遺構が多く残る糸満市南部を想定しており,フィールドワークとインタビュー調査を組み合わせて構成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、出来事の体験者の記憶が直接体験をもたない世代(=「非体験者」/継承者)に受け継がれる際、その痕跡(遺構)が存在すること、その痕跡との接触の程度がどのような影響を与えているのかを明らかにすることを目的としている。 新型コロナウィルス感染症の蔓延による影響に伴い、調査地での調査を2年遅れで令和4年度より開始している。令和5年度は前年度に引き続き、調査地での聞き取り、参与観察を実施してきた。参与観察に関しては、調査地で行われていた住民活動の縮小に伴い、その機会が減少することとなったが、慰霊祭等の機会をとらえて情報収集を行ない、現時点での慰霊の構造を分析してきた。また、インタビューについては令和4年度に集中的に実施したインタビューの補足調査を行なってきた。インタビューデータには土地の言語が多く含まれており、そのトランスクリプト、内容の確認に時間を要しているが、データを整理し情報を蓄積しているところである。 これらの成果を踏まえ、日本質的心理学会第20回大会研究交流委員会企画「他者の体験を「想起」する:場所、コミュニティ、継承」のなかで、「日常のなかの沖縄戦の記憶」(話題提供)として発表を行なった。 調査地では、従来の家屋敷が新たな住宅地として販売されたり、土地改良などによる大規模な現状変更が進んでいる。直ちに結果が出るものではないが、これらの変更が戦争体験の記憶の継承にどのような影響を及ぼすのかについても留意しながら調査を実施しており、実社会のダイナミックな変化と記憶の継承との関わりに関するデータを収集していると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症蔓延に伴う現地調査開始時期が遅れたこと、インタビューデータに多くの現地の言葉が含まれていることに伴うトランスクリプト作業と読み解きの困難さにより、若干の遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は本研究の一旦の最終年度と位置付け、収集したインタビューデータのトランスクリプト作業と分析を集中的に実施し、学会(大会)等の機会をとらえて発表を行なう。また、研究成果の論文化を予定している。
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