セルフコンパッションが社会的排斥過程に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
20K14147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
宮川 裕基 追手門学院大学, 心理学部, 講師 (40845921)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | セルフコンパッション / 社会的排斥 / 対人目標 / レジリエンス / 攻撃性 / 外的適応 / 内的適応 |
Outline of Research at the Start |
社会的排斥は個人の心身の健康や対人関係に悪影響を及ぼす。本研究では、自分を思いやることを意味するセルフコンパッション(SC)が社会的排斥を防ぎ、たとえ排斥が生じたとしてもその痛みを和らげる心理的メカニズムについて検討する。研究1では縦断調査により、特性SCの高い人ほど社会的排斥経験が少ないことを示す。研究2から5では、場面想定法、回顧法、実験法を用いて、想定/実際の社会的排斥場面において、特性SCの高い人/実験的にSCが高まった人ほど、排斥による心理的充足感への脅威や相手への攻撃性が低いことを示す。また、相手から反復的な排斥がない場合では、SCの高い人ほど相手との関係の修復を行うことを示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
他者から無視されるなどの社会的排斥は個人の心身の健康やその他者との人間関係に悪影響を及ぼす。本研究では、自分を思いやることを意味するセルフコンパッション(SC)が社会的排斥を防ぎ、たとえ排斥が生じたとしてもその痛みを和らげる心理的メカニズムについて検討し、そのモデルを提唱することを目的とする。 2022年度は、2021年度で得られたSCと社会的排斥後の攻撃性に関する相関研究の知見を発展させ、SCを実験的に高めることで攻撃性が低下するかを主に検討を行った。その結果、社会的排斥経験想起後に、その出来事をSCの観点から捉えなおしたSC群では、出来事を客観的に捉えなおした統制群よりも、排斥してきた他者への攻撃性が低い(i.e., 自己報告式の報復意図、排斥者に見立てた人形に刺す針の数)ことが示された。以上の知見を、国内外の学術大会およびPersonality and Individual Differences誌上で発表した。 また、SCと親密な関係における心理的暴力の関連に関する検討も、アタッチメント理論の観点も含めて、行った。その結果、愛着不安や親密性回避が高い人ほど、夫婦関係においてストレスフルな出来事が生じた際にSCを活用しにくいため、配偶者に心理的暴力をふるいやすいことが示唆された。 さらに、2022年度は状態SCに関する尺度や状態SCという概念の検討を行った。日米データを用いて、状態SC尺度の測定不変性を検討した。また、潜在プロフィール分析を用いることで、状態SC尺度に基づくグループの分類を行った。その結果、状態SC尺度は日米間で測定不変性があること、および、状態SCに関する潜在プロフィールはNeff (2003) の理論と一致するグループに対応することが示された。上記の知見を、国内の学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通りに進展している。2022年度は社会的排斥時においてSCを実験的に高めることの効果について検討することができた。今年度は、SCを高めることで、社会的排斥後の攻撃性以外の反応にも影響を及ぼすのかを検討する。具体的には、SCを高めることで、心理的健康状態が保たれるのか、排斥してきた人を過剰に避けようとしないのか等について検討する。2023年度にこの知見を発表する予定である。全体として当初の研究計画に基づいた研究を遂行できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度については、当初の研究計画及びこれまでの研究成果を踏まえて、SCを高める実験法を用いた検討を継続していく。また、SCの高い人ほど社会的排斥経験が少ないという予測を検討する研究1に対応する、SCと社会的排斥経験頻度に関する調査も行っていく。そして、得られた知見を国内外の学術学会や国内外の学術誌で発表していく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(21 results)