Project/Area Number |
20K14153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Ochanomizu University (2022-2023) Senzoku Junior College of Childhood Education (2020-2021) |
Principal Investigator |
高橋 節子 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 特別研究員 (50735305)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 物理的空間 / 既婚女性 / プライバシー / 自立 / Well-being / 発達 / 住宅 / ジェンダー / well-being / QOL |
Outline of Research at the Start |
本研究は、子を持つ既婚女性が心の居場所などの心理的空間ではなく、「自分固有の物理的空間」を持つことは、その人が心理的に自立し、高いQOLを維持して生活するために必要であるという仮説を実証することを目的とする。 子どもを持つ既婚女性にウェブ調査と面接調査を実施し、(1)既婚女性の「自分固有の物理的空間」の有無、その空間の物理的要素を明らかにし、(2)「自分固有の物理的空間」を持つことと彼女らの心理的自立とQOLとの関連を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、子どもを持つ既婚女性が、自宅内に「自分固有の物理的空間」(以下、「自分の空間」と表記)を持つことは、その人が心理的に自立し、心の健康(Well-being)を維持し、自分らしく自己実現して生活するために必要であると言う仮説を実証することである。本研究では、「自分の空間」を、他者から妨げられず、ここは自分の空間だと認識できる物理的空間と定義する。先行研究では、自宅では子どもと夫の空間の確保が優先され、妻は、家族成員の中で、自宅内に「自分の空間」を持つことが最も難しいことが指摘されている(上野,2002)。しかし、これを実証的に明らかにした研究はほとんどない。 2023年前半は、昨年実施したウェブ調査を分析した。ウェブ調査は、18歳以下の子どもを持つ既婚女性558名(平均年齢39.01, SD = 7.51)を調査協力者として実施した。分析の結果、回答者本人の「自分の空間」があるのは3割強(34.6%)、「夫の空間」は約5割(48.9%)、「子ども室」は約8割(77.1%)があると回答した。先行研究で指摘された通り、自宅では夫と子どもの空間の確保が優先されていることがわかった。回答者の「自分の空間」の有無は、自宅の物理的要因と関連しており、自宅が一戸建てであるほど、間取りが広いほど「自分の空間」があることがわかった。 2023年後半は、ウェブ調査の結果を踏まえて、インタビュー調査を実施する準備を進めた。ウェブ調査では、「自分の空間」を確保した経緯や使用目的等を質問するには限界があった。そこで、自宅の物理的制約が最も大きいと予想される首都圏在住の18歳以下の子どもを持つ既婚女性に、インタビュー調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、同居する18歳以下の子どもを持つ既婚女性を対象とし、自宅内での「自分の空間」の確保状況と、彼女たちの心理的自立とWell-beingの維持、自己実現との関連を明らかにすることを目的としている。コロナ禍の2020年度および2021年度は、ほとんどの期間で緊急事態宣言、または、まん延防止等重点措置が発令され、在宅勤務等が推奨されことにより、住宅の居室の使われ方に、一時的な変化が生じたと考えられた。そのため、自宅内での「自分の空間」について、正確なデータを得るのが難しいことが予想された。 当初は、2020年度に予備調査を行い、調査項目や使用する心理尺度の選定をした上で、2021年度にウェブ調査を実施し、2022年度にウェブ調査の結果を踏まえ、インタビュー調査を実施する予定であった。しかし、まず、コロナ禍の影響がどの程度であるかを明らかにするため、当初の計画より小規模な、予備的ウェブ調査を2022年度に実施した。それを踏まえ、2023年度以降にインタビュー調査と、再度、本調査としてウェブ調査を実施するよう計画を変更した。そのため、研究の進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年前半から、インタビュー調査を実施する。インタビュー調査は、首都圏(1都7県)に居住する同居する18歳以下の子どもを持つ既婚女性15名程度を対象とし、原則、オンラインで実施する予定である。調査協力者には、「自分の空間」の有無、「自分の空間」がある場合は、その物理的特徴、どのような経緯で物理的空間を持つに至ったのか、どのように活用しているのか、さらに、日常生活の状況(仕事の状況、自己実現の目標、家事の役割分担など)や家族構成、自宅の物理的状況などを質問する。「自分の空間」がない場合には、自分の時間を、どこで、どのように確保しているのか、もし、自宅内に「自分の空間」を持つとしたら、どのような空間があれば良いと思うかなどを質問する。 2024年後半には、再び、ウェブ調査を実施する予定である。2020年度と2021年度のコロナ禍での在宅勤務の推奨により、一時的に居室の使われ方に変化があったことが予想されたため、2022年度に実施したウェブ調査は、当初の計画より小規模な、予備的調査として実施した。インタビュー調査と、予備的ウェブ調査を踏まえ、再度、本調査としてウェブ調査を実施する予定である。
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