幼児・児童の知識統合の発達―他者との相互作用を通じた問題解決方略の変化―
Project/Area Number |
20K14156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
橘 春菜 名古屋大学, 教育基盤連携本部, 特任准教授 (10727902)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 知識統合 / 発達 / 問題解決方略 / 幼児・児童 / 相互作用 |
Outline of Research at the Start |
教育実践において子どもが協同で学びを深めるための工夫が一層に求められている。本研究では,子どもが他者との関わりを通じて,ある現象について複数の知識を関連づけて包括的に説明するようになる知識統合の発達的変化を検討する。具体的には,幼児期から児童期中期の子どもを対象に,他者との相互作用を通じた問題解決方略の変容過程とその安定性について個人内変化を検討するとともに,年齢による横断的な変化を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,知識統合を「他者との関わりを通じて,ある事象についての複数の知識を個別に説明する問題解決方略から,複数の知識を関連づけて包括的に説明する問題解決方略へと変化する過程および変化後の状態」と定義し,幼児期から児童期中期の子どもを対象に,知識統合の発達的な変化について検討する。具体的には,他者との相互作用を通じた問題解決方略の変容過程に焦点をあて,ペア実験及びインタビューを実施し,年齢に伴う知識統合の質的変化を検討する。 2023年度は,知識統合の発達的変化(年齢による横断的変化)に関して①②の研究成果を発表した。また,2人1組のペアで問題解決を行う実験の実施に向け,先行研究の知見を整理するとともに実験準備を進めた。 ①非視覚的性質(「甘さ」等)の相対的な差異の描画表現に焦点をあて,年長児~小学5年生の幼児・児童を対象に質問紙調査を行い,年齢に伴う表現方略の変化を検討した。その結果,年齢に伴い,言葉の説明とあわせて時系列的に非視覚的性質の差異を示す継時的表現方略から,一枚の絵で同時的に非視覚的性質の差異を示す同時的表現方略が多くなることが示された。一部の課題では,小学5年生は低学年の児童と比べて同時的表現に継時的表現を加えた統合的表現が多い特徴も示された。 ②植物が種を存続させるための工夫として,特に種子散布に関する現象に焦点をあて,幼児・児童がどのように既有知識を結び付けて説明するか,その年齢による差異について質問紙調査による検討を行った。その結果,幼児では種の生存というよりもその時点における植物の感情に関する説明が多い傾向,小学5年生では繁殖の戦略を示唆した種子散布による説明が多い傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症の拡大により,対面形式でのペア実験及びインタビューを継続的に学校や園で実施することが困難な状況が続いたため,当初の研究計画を部分的に変更しており,実験の実施が遅れている。これまでに実施した調査の分析及び実験で用いる課題の精査は進めることができた。よって,進捗状況はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施した調査と先行研究により得られた知見に基づき,幼児・児童を対象とした対面でのペア実験及びインタビューを実施する。ペアでの相互作用と個人の説明の内容を分析し,知識統合の発達的変化に関する知見をまとめ,研究成果を学会等で発表する。
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Report
(4 results)
Research Products
(2 results)