Project/Area Number |
20K14309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 勝巳 京都大学, 数理解析研究所, 助教 (90850610)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 結び目 / Kontsevich不変量 / 有限型不変量 / 可逆性 / 量子不変量 |
Outline of Research at the Start |
本研究では量子不変量が結び目の可逆性を判定し得るかという問題に取り組む。特にKontsevich不変量に対しては可逆判定性を持たないことが予想されているが、予想が正しくない可能性も視野に入れつつ、この問題の解決を目指す。 予想が肯定的に解決できた場合には、より一般の量子不変量を調べることで可逆判定性を持つものを探す。一方で予想が否定的に解決された場合には、向きの情報を反映する計算可能な不変量の構成を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では量子不変量が結び目の可逆性を判定し得るかを調べており、特に、結び目の量子不変量や(有理係数の)有限型不変量に対して普遍性を持つKontsevich不変量と呼ばれる不変量について可逆判定性を持つかどうか明らかにすることを第一の目標としている。 昨年度までの研究により、結び目の有限型不変量と深い関わりのある(開)Jacobi図の空間には向きの情報に対応するような捩れ元が大量に存在することがわかっていた。そこで本年度はそれらに対応する有限型不変量が実際に存在するか調べるため、結び目のAlexander加群の詳細な情報を有限型不変量として取り出すことを試みた。実際、Alexander加群の1次の情報にあたるAlexander多項式の各係数は有理係数の有限型不変量であり、さらに整係数Alexander加群の高次部分から結び目の向きの情報が得られるような例も知られていたため、この情報を不変量として取り出すことができればそれが向きの情報を含む有限型不変量であることが期待できる。 しかし、そもそもAlexander加群の持つ向きの情報はイデアル類を比べるといった方法で得られており、それを不変量として表すための器が構成できるかというのはかなり難しい問題に思われる。絡み目のMilnor不変量がKontsevich不変量から得られるのと同様になんらかのリフトが存在する可能性は否定できないが、体を係数とするAlexander加群からは向きの情報が得られないことを考慮するとそれも難しく、可能であったとしても得られるものは有限型不変量にならないのではという感触があった。Alexander加群の研究から派生して、交代結び目のAlexander多項式に関する台形予想の研究や捩れAlexander多項式の研究などでは成果が得られたものの、本研究と直接関わる部分では進展を得ることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度初めに予定していたAlexander加群の研究自体は行えたものの、非自明な結果を得ることはできず、本研究の目標であった向きを特定する有限型不変量の発見には至らなかった。有理係数の開Jacobi図の空間に関する研究にも進展はなかったため、研究課題全体の進捗状況としては遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
有理係数の開Jacobi図の空間に関しては有効打を見つけられずにいるため、単純に各ループ数ごとに消滅を示していく以外の方法を試みる。具体的には、あるJacobi図からより高いループ数のJacobi図(の線形和)を作る方法を補助的に用いて高ループ数の消滅を示す方法や、Jacobi図の空間に追加の関係式を入れた上で0とならないJacobi図を探すという方針を考えている。後者で追加する関係式としては、Kontsevich不変量のsl2-reductionを考える際に出てくる関係式などを考えている。 有理係数以外の場合については2-torsion以外の捻れ元は次数が高く扱いづらいため、まずは2-torsionの比較的次数の低いJacobi図に関して対応する有限型不変量が実際に存在するのかを調べる。このような有限型不変量は存在したとしても向きを判定することはできないが、Jacobi図の空間と有理係数以外の有限型不変量との間の関係を調べる最初のステップとしては意味があると考えている。
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