Project/Area Number |
20K14316
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
直江 央寛 中央大学, 理工学部, 助教 (10823255)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 4次元多様体 / シャドウ / トライセクション / シャドウ複雑度 / トライセクション種数 / 2次元結び目 / Kirby-Thompson 不変量 / バンド付き絡み目表示 / 低次元トポロジー / 多面体 / 曲面結び目 / 接触構造 / ファイバー構造 |
Outline of Research at the Start |
4次元多様体が局所平坦な2次元多面体に縮約するとき,その多面体をシャドウといい,4次元多様体および境界の3次元多様体の組み合わせ的表示を与える.本研究では,Stein 構造,シンプレクティック構造,接触構造,ファイバー構造などといった低次元多様体の諸概念について,シャドウを用いた研究を行う.また,シャドウには真頂点と呼ばれる特別な頂点が存在し,その個数の最小値としてシャドウ複雑度と呼ばれる4次元多様体の不変量が定義される.このシャドウ複雑度を用いて,構造付きの多様体の特徴づけと分類を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
シャドウ複雑度とトライセクション種数に関する研究を行った.トライセクション種数はトライセクションの中心曲面の種数の最小値として定義される.今回の研究でシャドウ複雑度を改良し加重シャドウ複雑度を新たに導入した.シャドウの真頂点の個数の最小値としてシャドウ複雑度が定義される一方,加重シャドウ複雑度は真頂点の個数に各領域のオイラー標数と非負実数の重み r に依存する項を加えることで定義される.この加重シャドウ複雑度の性質として,重み r が 0 のときはシャドウ複雑度に一致し,2 以上のときは特殊シャドウ複雑度に一致することを示した.さらに,r が 1/2 以上のとき,任意の閉4次元多様体に対しトライセクション種数が加重シャドウ複雑度の具体的な1次式で上から評価できることを示した.この不等式を用いて,閉4次元多様体のある無限族に対し加重シャドウ複雑度の値を決定した.さらに,r=1/2 のときの加重シャドウ複雑度が1/2以下であるような閉4次元多様体の完全な分類を与えた.なお,この研究は小川将輝氏との共同研究であり,現在論文を執筆中である. また,S^1とS^3の直積多様体の任意有限個の連結和に対し,特殊シャドウ複雑度の値を決定した.これまで特殊シャドウ複雑度の値が小さい閉4次元多様体についてはいくつか決定がされていたが,今回の例は特殊シャドウ複雑度の増加列を与える最初の例になっている.このことにより,特殊シャドウ複雑度は2を除く0以上の整数全体への全射であることが示された.このことは論文にまとめ,査読付国際誌へ投稿中である. 上記の研究について,研究集会等で報告を行った.また,昨年度投稿していた2次元結び目とシャドウに関する論文,Kirby-Thompson 不変量に関する論文がそれぞれ査読付国際誌から出版されることが決定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加重シャドウ複雑度とトライセクション種数に関する不等式を証明するにあたり,シャドウから Kirby 図式を構成し,そこからトライセクションを構成した.それぞれの図式の変換方法を一般的な状況で確立できたため,これらは今後のシャドウやトライセクションの研究の礎となることが期待できる.また,当初トライセクションからシャドウを構成する手法は知られていたため,シャドウ複雑度によるトライセクション種数の下からの評価が得られることを想定していたが,実際には真頂点の個数のコントロールが難しく現状得られていない.しかし,今回証明した不等式は当初の想定とは別方向の結果ではあるが,これ自体十分な成果と言える.トライセクションとシャドウを意味のある形で関連付ける最初の研究でもあり,今後の双方向の研究の活性化が期待できる.また,今回導入した閉4次元多様体の加重シャドウ複雑度は特殊シャドウ複雑度と同様に finite-to-one という性質を持つことが判明したため,閉4次元多様体のリストを作成するための新たな指標が定義できたことになる. S^1とS^3の直積多様体らの連結和の特殊シャドウ複雑度の決定については,トライセクションとシャドウの研究の副産物として得られた結果である.これも当初計画していたものではなかったが,初等的な証明によりある程度簡潔な論文が作成でき,満足できる成果と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
トライセクションとシャドウの研究を足がかりに,特に種数と複雑度の間の不等式を証明する際の手法を用い,曲面結び目に対し橋トライセクション種数とシャドウ複雑度の関係について研究を行う.また,接触構造・シンプレクティック構造,スパイン,シャドウの関連についても継続して研究を進める. 関連分野の研究者と行っている (オンライン) セミナーを継続する.さらに国内外の研究集会に参加し研究発表および意見交換を行う.
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