予測精度向上のための一般化推定方程式におけるモデル選択規準の導出と評価
Project/Area Number |
20K14360
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12040:Applied mathematics and statistics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 倫治 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (80865220)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 一般化推定方程式 / 平均構造 / 漸近性質 / 経時データ / モデル選択 / 漸近論 / 統計数学 |
Outline of Research at the Start |
臨床試験や疫学研究において、時間経過に伴い同一個体を追跡してデータを収集することがある。このようなデータは相関を持っていることが多く、相関を考慮した予測モデルの開発が必要である。相関を持つデータを解析する手法の一つに一般化推定方程式があり、多くの研究で適用されている。一般化推定方程式の有用性は高いが実用面でチェックの困難な数学的な仮定も含まれている。本研究では、数学的な仮定の緩和を行うことと、仮定が満たされない場合の影響の評価を行い、予測精度向上のため一般化推定方程式のモデル選択規準を導出する。さらに、実行可能性と有用性の評価を数値実験と実解析を通して行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医学、薬学、経済学など様々な分野でしばしば観測される繰り返し測定データや、相関を持つマルチレベルデータの推論のための予測モデルの構築に焦点を当てた、予測精度の向上を目的としたモデル選択問題についての研究である。相関のあるデータを解析する手法のひとつに疑似尤度に基づいた一般化推定方程式を用いる方法がある。一般化推定方程式においては、真の平均構造が正しく特定できているという仮定の下で漸近性質が示されているが、誤特定している場合の影響については、報告がない。解析者は平均構造として、説明変数の組とリンク関数の2つを恣意的に決めることになり、先行研究では、これらの2つの構造は真であるという仮定をおいて性質を示していた。特に、解析者が恣意的に決めるリンク関数に関しては、通常正準リンクが用いられるが妥当性に関してはあまり議論されない。リンク関数は期待値を線形に変換する関数であるが、実データに適用した場合線形から逸脱することがしばしば起こる。 そこで、本研究では、リンク関数の候補として正準リンクを含むより広いクラスのリンク関数族を定義し、シミュレーションや実データへの適用を行い、最適なリンク関数の選択を行った。これにより、観測データの平均について線形からの逸脱度を測ることができることが期待される。 また、関連した内容として、実臨床を想定したモデルにおいて、一般化線形混合モデルや単純な群間差などを用いた統計量との比較を行い、推定量の標準誤差に関する性質を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、一般化推定方程式に含まれる平均構造を変化させ、既存のモデルより柔軟なモデルを構築することで、予測精度の高いモデルを構築することを目的としている。また、モデルに追加したパラメータの推定法を確立し、漸近性質を調べることも重要である。 現状、正準リンクを含むより広いクラスでのリンク関数族を定義し、それを用いた場合のモデルの比較については、おおむね検討できているため、「おおむね順調に進展している」とした。 候補モデルにおける追加のパラメータ推定に関して、パラメータを追加したことによる影響の評価と漸近性質について明らかにし、実データへの適用可能性を含めた追加の議論が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針は以下のとおりである。 1)モデルに追加したパラメータの推定法の確立と、パラメータ追加の影響評価。 2)実データへの適用。推定アルゴリズムの構築と最適化。 3)他手法(一般化線形混合モデルなど)との比較。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)