粉体系と液体系における重力不安定化現象の普遍性解明
Project/Area Number |
20K14379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 13010:Mathematical physics and fundamental theory of condensed matter physics-related
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Research Institution | Nippon Institute of Technology (2022) Tokyo University of Agriculture and Technology (2021) Tokyo Metropolitan University (2020) |
Principal Investigator |
小林 和也 日本工業大学, 基幹工学部, 助教 (00849474)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 粉粒体 / 物理ゲル / 重力不安定性現象 / 非平衡物理 / レイリー・テイラー不安定性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、粉体を重力下で落下させた際に起こる重力不安定性現象に着目する。液体系における重力不安定性現象はレイリー・テイラー不安定性として知られ、様々な実験的・理論的研究が行われている。しかし、粉体における重力不安定性現象は、粉体特有の性質(応力鎖ネットワークの切断など)によって液体系とは単純に比較することができず、個別的な取り扱いにとどまっており、共通性はほとんど明らかにはされていない。申請者は粉体と同じ性質を示す可能性がある物質として物理ゲルに着目した。この物理ゲルを用いて実験的に粉体との共通性を明らかにし、液体系と粉体系との共通性を明らかにすることを研究の目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題は,粉体(例えば砂など)を空気中や液体中で沈降させた際に見られる重力不安定性現象に関して,実験研究を中心に取り組んでいる.このような重力不安定性現象は,液体-液体系ではレイリー・テイラー不安定性として知られており,これまで理論的・実験的研究によって様々な性質が明らかになっているが,液体-粉体においてはあまり理解が進んでいない状況である.本研究では,固体状態(ゲル)と液体状態(ゾル)に加熱や冷却によって可逆的に転移することができる物理ゲルの性質に着目し,粉体の沈降挙動との共通性を詳細に調査することによって,複雑な粉体のダイナミクスを明らかにする. 本年度は,昨年度までに改良を加えた充填率制御可能な実験セットアップにさらに一部改良を加えながら,継続使用することで実験を行った.実験では特に粉体粒子の形状に着目した.これまで使用してきた粉体粒子の形状は均一ではなく,この影響については未検討であった.そこで,新たに粒子形状が比較的均一であるガラスビーズを用いて実験を行った.本年度においては,まだ複数の粒径における調査は実施することはできていないが,今回実施した範囲内において,充填率などを変化させながら,多くの定量的データを得ることに成功している.今後,幅広い粒径範囲にて実験を行う計画である.これらの結果については,次年度において論文の執筆・投稿を計画している.さらに,実験の過程で,新たに興味深い粉体流動現象を発見した.この現象は本課題とも大きく関連することから,次年度において並行して研究を進める計画である.また,これらの実験成果については,順次論文としてまとめる計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では粒子形状変化による重力不安定化現象への影響調査を目的に,粒子形状が均一であるガラスビーズを用いて実験を行い,充填率変化による波長や指状パターン等のパラメータの時間変化について,定量的データを得ることに成功した.現状では複数の粒径における実験は実施できていないが,実験方法等は本年度において確立できたことから,次年度も支障なく進めることができると考える.また,研究過程において,興味深い粉体流動現象を発見した.こちらについても,本現象と重要な関わりがあるため,より詳細な調査を今後する必要がある.本年度は研究機関の移動が伴ったが,計画に沿って研究を進めることができた.また,次年度に向けた課題も見えている.これらの状況を踏まえて,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では,これまでの研究で使用してきた粉体粒子の形状が均一ではないことによる現象への影響等に着目して,新たにガラスビーズなどの形状が均一な粒子を使用した実験を実施して,定量的データを得ることに成功した.一方で,粒径変化による影響については実験が不足しているため,次年度は様々な粒径および充填率において実験を実施する計画である.これらの結果については,今年度までに得られた研究成果との比較を行い,詳細な解析を通してゲル系および粉体系の重力不安定性現象のメカニズム解明を達成する計画である.さらに,新たに発見した粉体流動現象についても,引き続き調査を続け,本現象との関連性を検討する.次年度は本課題の最終年度であることから,研究成果をまとめて,国内外の学会で発表すると同時に論文として国際誌に投稿することを目指す.
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)