Project/Area Number |
20K14436
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大山 倫弘 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (00807034)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ガラス / 限界安定性 / レオロジー / 非平衡臨界現象 / 降伏 / ガラス物理 / せん断 / 非平衡定常系 |
Outline of Research at the Start |
ガラス物性の理論的解明の糸口として,結晶にはないガラス特有の性質が近年有望視されている.無限小の擾乱によっても構造が変化しうるという限界安定性である.一方,近年は生体系など非平衡な駆動力で流動化されたガラス系が実験的に報告されている.このような非平衡駆動系も含めたガラスの統一的理解が望まれるが,非平衡駆動系での代表的な非線形応答である降伏現象や流動化を対象にした研究はこれまで各論的な議論が主であった.本研究では限界安定性の概念の拡張により,降伏現象・流動化ガラスの,通常のガラスと同じ普遍的な枠組みでの統一的理解を実現する.
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Outline of Annual Research Achievements |
近年ガラスの特徴的かつ普遍的な特性の候補として限界安定性という性質が注目を集めている.限界安定性とはガラスが無限小の擾乱に対しても敏感に非弾性的な塑性変形を示すという性質であり,理論的予言に端を発し盛んに研究されるに至った.ガラスにせん断を印加すると実際にわずかなひずみで塑性変形が観察されることが多くの実験・数値計算により知られている.しかし,このように実測される塑性変形が示す諸性質を限界安定性の観点で整理した研究はこれまでほとんど存在していない.本研究ではせん断下で観察される塑性変形に限界安定性の観点での統一的解釈を与えることを目的としている. 本研究ではこれまで以下の結果を得た.1年目(2020年度)には準静的外場の下でガラスが示す塑性変形の統計則に対する限界安定性の観点での解釈を与えることに成功した.また,限界安定性に基づいた理論的考察により有限速度の外場の下で経験的に知られてきた普遍的力学法則の構造起源を解明することにも成功した. 2年目(2021年度:6月末で終了)には動力学的ゆらぎの観点での解析も進めた.結果,力学的応答と動力学的ゆらぎが異なる臨界的相関長に支配されていることを明らかにした.従来は両者を支配する長さスケールは同じと考えられてきた.前年度の研究成果である新しい提案手法によって当該長さスケールの臨界的振る舞いを直接観察可能にし,両者が異なることを直接定量的に示すことに初めて成功した.また,こうした臨界的振る舞いは定性的には種々の(広義の)ガラス系で普遍的に観察されることが知られている.本研究では詳細の異なる複数のガラス系で上記の提案手法による測定を行い,定量的な臨界指数の値は系のミクロな詳細に依存することを明らかにした. これらの発見は近年進展の著しい限界安定性についての諸知見を産業応用に結びつけるための橋渡しとしての役割を担い得ると期待できる.
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