荷電粒子を伴う中性K中間子崩壊を通じた新物理探索のための検出器開発
Project/Area Number |
20K14488
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
清水 信宏 千葉大学, 大学院理学研究院, 助教 (60869395)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | K中間子 / 稀崩壊 / J-PARC |
Outline of Research at the Start |
KOTO実験は,中性中間子の一つであるKLの崩壊, KL→π0νν崩壊の観測を通じて,新物理探索を行うプロジェクトである。CP対称性を破る本崩壊は、既存の理論では非常に強く抑制されているため,新たな物理現象を探索するうえで、重要な検証の一つとなっている。 本研究では、KOTO検出器を改良して荷電粒子の飛跡を精度よく測定できるようにし、探索の方向性を拡張することを目的とする。目的を達成するために,ストローチューブというガスを用いた検出器の開発を行う。本格的な導入に先駆けて、KLビーム中に含まれる荷電粒子を排除するための小規模な検出器を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
J-PARC KOTO実験は、標準理論で強く抑制されているK中間子の崩壊事象、KL→π0ννの観測を通じて,新物理の探索を行うことを目的としている。その中で、本採択課題の目的は、KOTO検出器を改良し、荷電粒子の精密測定を可能にすることである。その最初のステップとして、近年明らかになった荷電K中間子が引き起こす背景事象を削減する検出器開発を行った。KOTOビームラインは、電荷を帯びた粒子は、途中の磁石で除去されるようデザインされている。しかしながら、中性のKL中間子がビームラインの壁と相互作用することで、微量の荷電K中間子がKOTO検出器に入り、背景事象となる。令和二年度は、この背景事象を削減するため、KOTO検出器の入り口に設置する上流荷電Veto検出器(UCV)の開発・試験・運用を行った。UCVは、荷電粒子がシンチレーションファイバーを通過して生成した光子をMPPCで検出し、電気信号へと変換する仕組みをもつ。2019年に製作したプロトタイプで得た反省を踏まえ、7月にデザインを開始し、シンチレーションファイバーの性能評価、エレクトロニクス・メカニクスの開発を経て、11月に実機が完成した。12月は、東北大学の電子ビームを用いたテストを行い、性能検査を行った。予定していた荷電粒子の不感率として、5%未満が達成されることが示された。2021年2月には、J-PARCの実地での運用が始まり、KOTOビームラインの中で、想定していた性能が得られることが確認された。本検出器の開発により、既知の背景事象はついに抑え込める段階へ至った。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)