Unraveling the Formation of the Milky Way by cosmological simulations and Gaia
Project/Area Number |
20K14532
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | Tohoku University (2021-2022) Institute of Physical and Chemical Research (2020) |
Principal Investigator |
平居 悠 東北大学, 理学研究科, JSPS特別研究員(CPD) (60824232)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 銀河考古学 / 銀河形成 / 銀河系 / 矮小銀河 / 衛星銀河 / 金属欠乏星 / 元素合成 / 化学進化 / 天の川銀河 / 元素組成 / rプロセス / 化学動力学進化 / 数値シミュレーション / 天の川銀河ハロー / 宇宙論的シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
銀河系の星の元素組成・動力学的性質には銀河系が辿ってきた過去の情報が刻まれている。本研究では、ユーロピウムなどのrプロセス元素に着目した銀河形成シミュレーションを実施し、銀河の形成進化史と星のrプロセス元素組成を対応させる。位置天文衛星Gaiaと高分散分光観測による星の元素組成・動力学的性質から銀河系の形成進化史を再構築する。これにより、星のrプロセス元素組成を銀河進化の指標として確立することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
天の川銀河に過去に降着した衛星銀河由来の星の元素組成と動力学的性質についての研究に取り組んだ。そのために、宇宙論的な初期条件から、天の川銀河形成シミュレーションを実施した。このシミュレーションの分解能はガス質量分解能1万太陽質量、スナップショット間隔1000万年である。このシミュレーションのデータを用いて、ハローの合体史を解析した。これに基づき、過去に衛星銀河で形成され、現在は中心銀河の一部となっている星を抽出した。まず、これらの星の動力学的性質を解析した。その結果、より早い時期に合体した衛星銀河由来の星ほど低いエネルギーを有する傾向があった。続いて、これらの星の化学組成の解析を行った。本年度は、マグネシウム、鉄、ユーロピウム組成に着目した。その結果、同じ衛星銀河由来の星では、マグネシウムや鉄の量のばらつきは1桁程度で小さかった。星質量が太陽の100万倍に達した衛星銀河由来の星のマグネシウム分布を見ると、現在天の川銀河周囲に見られる矮小銀河のように、マグネシウムと鉄の比が鉄の量が高い星ほど下がる傾向にあることが明らかになった。一方、ユーロピウム量については、1桁以上のばらつきが見られた。これは、天の川銀河を構成した衛星銀河内でユーロピウム量が不均一であったことを意味する。以上の結果は、観測で得られた星の化学動力学的な情報から、天の川銀河に降着した衛星銀河の進化史を探る手掛かりを与えるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は概ね計画通り進行した。2022年度は、天の川銀河形成シミュレーションを実施し、そのデータ解析を行った。計算には、国立天文台天文シミュレーションプロジェクトスーパーコンピュータ「ATERUI II」を用い、質量分解能10000太陽質量のモデルを3モデル、質量分解能1000太陽質量のモデルを1モデル行った。質量分解能10000太陽質量のモデルについてのデータ解析を実施し、中心銀河に降着した衛星銀河由来の星を抽出した。これらの星の化学動力学的性質を解析し、中心銀河で形成された星と比較した。本成果は論文としてまとめ、出版した。この他、若い銀河の化学組成、星団形成についての研究を共同で進め、共著論文として出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、赤方偏移0まで天の川銀河サイズのハローについては質量分解能 1000太陽質量、矮小銀河サイズのハローについては質量分解能10太陽質量でシミュレーションを実施する。また、100 太陽質量以上の大質量星が銀河形成に及ぼす影響を明らかにするため、Geneva 恒星進化モデルを化学進化ライブラリに実装する。これらに基づき、降着した矮小銀河由来の星が持つrプロセス元素組成と角運動量・軌道運動エネルギーを高分散分光観測・Gaiaデータによる角運動量と比較する。これにより、銀河系ハローの矮小銀河降着史を明らかにし、銀河系ハローの構成要素と現在の矮小銀河の関係を解明する。
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Report
(3 results)
Research Products
(36 results)