衛星測位精度改善に向けた電離圏擾乱の発生予測:マルチスケール観測の実現
Project/Area Number |
20K14544
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
高橋 透 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 電子航法研究所, 主任研究員 (40759833)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 電離圏擾乱 / 衛星ビーコン / 観測ロケット / シンチレーション / マルチスケール観測 / プラズマバブル / オーロラ / GNSS / VHFシンチレーション / スピッツベルゲン島 / 衛星測位 / 電離圏 |
Outline of Research at the Start |
電離圏内の電子密度の粗密構造が、数 mから数 kmの様々なスケールで急激に発達する電離圏擾乱と呼ばれる現象が全地球的に発生する。特に、100 mスケールの電離圏擾乱は衛星測位(GPSなど)に最大で45 mの誤差を与える。近年、100 mスケールの電離圏擾乱は、より大きい1 kmスケールの電離圏擾乱が崩壊していく過程で発生している可能性が示唆された。本研究では、VHF帯の衛星電波を使った1 km スケールの電離圏擾乱の観測と、既存の装置と併せ用いることで10 mから1 kmのスケール電離圏擾乱を同時に観測するマルチスケール観測を実施する。これにより、電離圏擾乱の発生メカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではビーコン受信機を開発し、kmスケールの電離圏擾乱による振幅及び位相の揺らぎを観測し、既存数の100 mスケールの電離圏擾乱を観測することができるGNSS受信機との同時観測を行うことでマルチスケールの電離圏擾乱の観測を行う。これにより、電離圏擾乱の発生及び成長メカニズムを明らかにすることを目的としている。 令和4年度には開発したビーコン受信機を日本で発生頻度の高い低緯度地域である鹿児島県霧島市の鹿児島工業高等専門学校(以下、鹿児島高専)に設置した。この観測点では東京では観測することができない赤道付近を飛翔する衛星ビーコンの信号を観測できる行えることに加え、内之浦から打ち上げられる観測ロケットから放送される電波を受信することができる。令和4年7月に設置して以降、安定して観測が行われている。 定常観測を行うことと並行して、令和4年8月11日実施されたS-520-32ロケット実験にも参加した。このロケット実験は電離圏E領域とF領域の電磁気的な結合過程の電離圏擾乱の発生への寄与を明らかにすることを目的として行われた。京都大学と共同して鹿児島高専以外にも3点の観測点にビーコン受信機を設置し、ロケットから放送される電波を複数点で観測することで、積分値として得られるデータから電離圏擾乱の水平構造を導出する試みがされた。8月11日にS-520-32ロケットが打ち上げられ、すべての観測点でロケットの電波が観測された。これらの観測値からロケットと受信機間の電離圏電子密度の積分値である電離圏全電子数の導出を行った。観測値には電離圏擾乱によるものと思われる変動も含まれており、現在解析を進めている。また、令和5年度に予定している海外の観測拠点への設置を見据えて、受信機の小型化と安定化を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、受信機の設置等がスムーズに行えなかった等の問題はあったが、受信機を鹿児島高専に設置し、定常観測が行えたこととロケット観測に参加し、貴重なデータを取得することができた。また、定常観測に必要な観測機器の安定化のために、プロトタイプとして作成し、鹿児島高専に設置した受信機をアップグレードし、より安定的で小型な受信機の開発も進めることができた。このため、最終年度である来年度には高緯度地域にも設置し、幅広い緯度帯に置いて観測が実施できる見込みである。このことから概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である令和5年度には安定化した受信機を北極域のスピッツベルゲン島に設置する予定である。機器の設置許可に関する打ち合わせをスピッツベルゲン島に基地を有している国立極地研究所と始めている。これにより衛星ビーコンの観測を低緯度から高緯度地域において実施し、それぞれの緯度帯における電離圏擾乱の発生および成長過程を明らかにする当初の目的を達成する予定である。 また、これと同時に最終年度には成果発表を積極的に行う。すでに2件の国際学会に投稿済みであり、これに加えて2件の国内学会、1件の国際学会へも投稿することを予定している。科学論文としても成果報告をする。
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Report
(3 results)
Research Products
(29 results)
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[Journal Article] The Cusp as a VLF Saucer Source: First Rocket Observations of Long-Duration VLF Saucers on the Dayside2021
Author(s)
Moser, C., J. LaBelle, S. Hatch, J. I. Moen, A. Spicher, T. Takahashi, C. A. Kletzing, S. Bounds, K. Oksavik, F. Sigernes, and T. K. Yeoman
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Journal Title
Geophysical Research Letters
Volume: 48
Issue: 2
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] he 10-year summary of the sodium lidar at Tromso and its future plan2022
Author(s)
S. Nozawa, T. D. Kawahara, N. Saito, T. T. Tsuda, S. Wada, M. Tsutsumi, T. Takahashi, T. Kawabata, Y. Ogawa, H. Fujiwara, S. Suzuki, M. G. Johnsen, and A. Brekke
Organizer
Seventh International Symposium on Arctic Research
Related Report
Int'l Joint Research
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