Project/Area Number |
20K14895
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | University of the Ryukyus (2022-2023) Chiba University (2020-2021) |
Principal Investigator |
西坂 涼 琉球大学, 国際地域創造学部, 講師 (50868198)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 祈念的公園 / 公園評価指標 / 市民意識調査 / 復興祈念公園 / 祈念公園 / 順応的ガバナンス / 市民参加 / 評価指標 |
Outline of Research at the Start |
近年、災害の増加や激甚化により、災害復興等を祈念する「祈念的公園」が増加している。祈念的公園の祈念性を長期的に維持し、より地域における価値を高める管理・活用を実現するには、公園に関係する市民等の主体が状況の変化に応じて管理等に関わり続ける仕組み(順応的ガバナンス)の構築が必要である。そこで本研究は、各種調査から祈念的公園の整備・利用実態や、関係主体及びその認識等を明らかにする。公園管理に活用される一般的な公園評価指標に追加し得る、祈念性を踏まえた順応的管理に関する評価指標を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
災害からの復興や戦災を経て平和を祈念する「祈念的公園」は、時間の経過や社会の変化の中でも祈念性を長期的に維持しつづけることを求められる。祈念性を踏まえた公園評価を実施することが、祈念性に配慮した公園管理活用につながると考え、祈念的公園の整備・利用実態や、関係主体とその認識を明らかにして、祈念性を踏まえた公園管理指標を検討する。公園評価手法、祈念的公園への市民意識、祈念的公園の整備の側面から研究を進める。令和4年度までに、公園評価手法について行政資料から公園評価の概要と実態を調査した。国土交通省の都市公園事業の事業評価における公園評価指標を抽出し、公園評価の項目を分析するとともに、沖縄県営平和祈念公園の指定管理者評価における祈念性を含む内容の評価手法を明らかにした。結果をとりまとめて論文を執筆し学術誌に掲載された。また、祈念的公園への市民意識に関するアンケート結果の分析や、祈念的公園の整備に関する計画書の調査等を実施した。これらを踏まえ令和5年度は、東日本大震災の復興祈念公園に関する市民の意識についてアンケート調査結果の分析を進め、論文を執筆して、学術誌に投稿した。これまでの研究経緯において、研究代表者の所属機関変更により、感染の激しい地方に着任したこともあり、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた。研究進捗状況の遅れを受けて研究計画、研究対象を見直した。整備から時間が経過しており関連主体が複雑である沖縄県営平和祈念公園を中心事例として重点的に調査することとした。当該公園の整備に関する計画書や平面図、航空写真、文献等データを収集し、整備経緯や、整備期及び管理活用段階における公園整備の意図、公園管理に関連する主体に関する分析を進め、論文を執筆して学術誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響に加えて、研究代表者の所属機関変更が重なり、令和4年度までに研究の進捗状況に遅れが生じた。具体的には、新型コロナウイルス感染症の影響により研究対象である祈念的公園を活用した式典やツーリズムが規模縮小され、公園活用状況や市民の意識調査に影響するため、過年度における市民意識の調査を見送った。また、研究代表者が関東地方の研究機関を離れ、沖縄地方の研究機関に着任したことで、当初に想定していた祈念的公園を多数有する東日本大震災の被災地へのアクセスが困難になった。さらに、着任地は、日本国内でも有数の感染流行地であり、研究代表者が度重なる濃厚接触者への指定や感染を経験し、感染リスクに配慮した行動の要請を受けたことによりフィールドワークや県をまたいだ出張を中止、自粛せざるを得ない状況となった。そのため、出張を伴う全国の祈念的公園への現地調査や式典状況調査、関係者へのインタビュー等を実施することが困難となった。以上より令和4年度までに調査、分析、論文執筆の全般にわたり、研究の進捗状況がやや遅れた。そこで、研究計画を再検討し、沖縄県営平和祈念公園を中心的な事例とする方向性で研究を進めたが、過年度の遅れが令和5年度にも影響したことで、研究の全体の進捗がやや遅れ、完了に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、祈念的公園の整備・利用実態や、関係主体とその認識を明らかにして、祈念性を踏まえた公園管理指標を検討することを目的に、公園評価手法、祈念的公園への市民意識、祈念的公園の整備の側面から研究を進めている。令和5年度までに、国土交通省及び沖縄県の公園評価を事例として公園評価手法を調査し、東日本大震災の復興祈念公園に対する市民意識を分析した。また、研究計画と研究対象を見直し、沖縄県営平和祈念公園を中心的な事例として整備経緯や整備期及び管理活用段階における公園整備の意図、公園管理に関連する主体に関する分析を進めた。これまでに自治体、関係団体、市民についての研究をすすめてきており、令和6年度には公園利用者に着目する。公園利用者による利用実態調査により、多様な主体からの視点を含めて祈念性を検討するという当初の計画を達成したい。また、最終年度であるため、これまでの研究経過をとりまとめて祈念的公園の評価指標や経年変化を検討するとともに、復興祈念公園など比較的新しい公園に活用し得る知見を考察する。
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