Project/Area Number |
20K14927
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology (2021-2023) Tokyo National University of Fine Arts and Music (2020) |
Principal Investigator |
小柏 典華 芝浦工業大学, 建築学部, 准教授 (40843503)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 建築 / 庭園 / 文化財 / 相関 / 古文書 / 絵図 / 実測調査 / 配置構成 / 移築 / 建築史 / 近世寺院 / 寺院 / 文化財保存学 / 史料調査 / 空間構成 / 運営組織 / 門跡 / 門跡寺院 |
Outline of Research at the Start |
庭園内に所在する建築は、外部空間と一体となって優れた景観を構成してきている一方、文化財指定の異なる類型(有形文化財と記念物)の中で評価されるため、近世社寺建築の全国的調査でも、その評価が難しいのが現状である。 これまで、寺院の運営組織の体制とその変化が、庭園と建築の関係に強く影響しているであろうことを論証してきた。本研究は、その手法の有効性を証明するものである。 寺院建築の空間構成上、庭園と建築が密に相関関係を有する事がその配置構成および断面構成から読み取れる6件を対象に、庭園・建築・運営組織の3点に着目し個別事例検証を重ね、庭園と建築を一体とした空間構成の価値を、建築史側から再解釈する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「建築と庭園の相関」を理解するために、具体事例を選定した上で、古文書や絵図史料、実測関係資料を元に実証的検討を進めるものである。研究対象は、寺社から近代までの建築と庭園に広げた。 本年度は、浮月楼(静岡市)、滋賀院(大津市)などを具体的な検討対象として、建築・庭園の変遷過程を各史料から明らかにしつつ、現存する建築と庭園の一体的価値はどのような点にあるのか示した。それぞれの変遷を見るだけでは理解できない事象について、建築と庭園の一体性を評価することで、相互の価値を再評価できる指標が確認できつつある。また庭園に高低差があり、かつそこに建築が所在する場合、その配置構成にはどのような工夫がなされ一体的な構成が取られているのか、視点場の眺望を示しつつ実情を示した。研究成果は下記3点にまとめた。 ・新村恵太, 小柏典華「庭園の高低差を利用した建造物の配置構成に関する研究 -建造物内の視点場からの眺望に着目して-」(『2023年度日本建築学会関東支部研究報告集』) また、日本建築学会大会発表にて下記2本の発表を予定している。 ・小柏典華, 新村恵太, 湯本桂「浮月楼の建築および庭園の一体的文化財価値評価に向けた研究」 (日本建築学会大会学術講演梗概集 2024年8月) ・新村恵太, 小柏典華, 湯本桂「座敷の天井仕様と庭園景観の相関性についての研究 ―浮月楼明輝館を対象として― 」 (日本建築学会大会学術講演梗概集 2024年8月)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、寺社庭園に限らず「建築と庭園の相関」を理解するための具体事例の検証に取り組んだ。古文書や絵図史料の検討を通して文化財的価値の評価を行い、学会口頭発表を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、研究対象を寺社建築に絞らず、近代建築まで広げた。次年度は、本年度検討を進めた浮月楼を、実際に登録文化財とするためにより精緻な検証を進める。 また、研究初年度・2年度にコロナウイルスの影響で遅れたため、研究論文として滋賀院門跡の研究成果のまとめを進める。
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