Project/Area Number |
20K15126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 28030:Nanomaterials-related
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 大亮 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (20854673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 溶液プロセス / 液体プロセス / 金属酸化物 / チタニア / ナノインプリント / 印刷 / プリンタブル |
Outline of Research at the Start |
チタニアは、触媒作用や高い屈折率を示すことから幅広く利用されており、印刷技術と液相法との融合による低エネルギー・低環境負荷でのチタニアの作製は、重要なテーマとなっている。本研究では、液相法におけるチタニアの中間体(チタニアゲル)の構造解析を通して、金属酸化物ゲル構造の制御を行う。これによって優れた熱変形性を有し、型押し印刷可能なプリンタブル-チタニアゲルの創製を目指す。さらに、プリンタブル-チタニアゲルを用いて、印刷によるチタニアのナノ・マイクロパターンの作製を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では液相法におけるチタニアの中間体(チタニアゲル)の構造解析を通して、金属酸化物ゲル構造の制御を行う。本研究の目的は、優れた熱変形性を有し、ナノインプリントによる型押し印刷可能なプリンタブル-チタニアゲルの創製することである。 通常、我々は有機金属分解(MOD)法によってチタニア薄膜を作製してきたが、これらチタニアゲルの多くは熱変形時にパターン崩れる、もしくは変形性を全く示さなかった。本研究では、エチレングリコールと水を用いた新たなチタニアゲルが良好なパターニング性能を示すことを見出した。この優れたパターニング性能を示すチタニアゲル、ならびにパターニング性能を示さなかったチタニアゲルに対して、FT-IRによるゲルに含まれる有機配位子の状態の評価、TG-DTAによる残留有機物量の評価、そして、高エネルギーX線回折によるチタニアゲルの微細構造解析を行った。その結果、Ti-Oネットワークの成長が不十分な場合はチタニアゲルのパターンが崩れ、Ti-Oネットワークが過剰に成長した場合はプリンタブル性を示さないことが明らかとなった。優れたプリンタブル性には適度なTi-Oネットワーク成長が重要であることを見出した。プリンタブル-チタニアゲルを用いたパターン作製では、サブミクロンのラインアンドスペース、そして、新たにドットやホールの2次元構造パターンの作製に成功した。本研究によって、チタニアゲルの成形性に関わる新たな知見を得ることができた。酸化物プリンタブルゲルを創製する上での重要な材料設計方針を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、1μm以下のピッチサイズのゲルパターンの作製に成功している。これらプリンタブルチタニアゲルや、プリンタブル性を示さないチタニアゲルに対して、FT-IR、TG-DTA、高エネルギーX線回折による微細構造解析を進めた。今年度では、ナノインプリントによるラインパターンのみならず、ドットやホールパターンの2次元構造体の成形に成功した。これらの結果は査読付き論文誌にて報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究によって、良好なプリンタブルチタニアゲルの調製に成功したが、未だパターン転写性や変形性は十分ではなかった。プリンタブルチタニアゲルの転写精度や変形性の向上を目指し、新たなチタニアゲルの創製を行う。本研究で見出した知見に加え、新たな有機配位子を用いるなどの検討を進める予定である。 引き続き、高エネルギーX線回折、熱分析やFT-IRによるチタニアゲルの構造解析を行い、さらに転写精度のよいプリンタブルチタニアゲルは、どのようなTi-Oネットワークや有機配位子の微細構造にするべきかを明らかにする。
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