複雑化合物における簡便な遷移状態計算手法の確立と天然物合成への応用
Project/Area Number |
20K15285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
深谷 圭介 富山県立大学, 工学部, 助教 (40821575)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 天然物合成 / 計算化学 / 遷移状態 / 全合成 / 天然物 |
Outline of Research at the Start |
天然有機化合物を新たに合成する際には、対象分子の構造が複雑になるに従って、合成に要する手間や時間が急激に増大する。この原因の一つに、複雑分子の反応性を十分に予測できないことが挙げられる。そこで本研究では、これを予測する手段として、網羅的配座探索と高精度計算を基盤とした真に実用的な反応性予測ツールを確立する。さらに本研究では実践的な方法論確立を志向しており、実際に複雑天然物の全合成へと展開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では有機合成化学者が簡便に扱うことのできる計算化学ツールの開発を目標の1つに掲げている。この目標に対して、前年度までに多配座解析処理プログラムACCeLを開発・公開(https://accel.kfchem.dev/)している。本年度は、開発したプログラムの改良と、その応用展開に注力した。ACCeLは配座異性体の一括処理を前提としたPythonライブラリであり、各種計算化学ソフトウェアの入力ファイル作成、実行、出力ファイル解析を簡便に実施することができる。本年度、多くの改良をACCeLに加えたことにより、低い学習コスト、高い汎用性、高度な計算自動化能力を有する強力な計算化学ツールとなり、本研究課題の標的とする反応性予測以外にも様々な応用が可能となった。ACCeL(開発段階のプログラム群を含む)を利用した関連研究は複数の学会や論文で報告した。本年度、DFT計算に基づく新規天然物の構造推定に関連する5報の論文を報告した。ACCeLの配座異性体を効率的に扱うことのできる特徴を最大限に活用することで迅速な構造決定が可能であった。また、天然物合成における反応機構解析として、2報の論文を報告した。これらの報告により、本研究課題で開発したACCeLの汎用性と有用性を示すことができた。また、本研究課題の開始当初から着手しているナキテルピオシンの合成研究については、その検討の一部を論文として報告した。今後は、ACCeLを用いた簡便な遷移状態計算プロトコルを実践的に活用し、天然物の合成研究における研究成果を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、本研究課題を通して開発したACCeLを大幅に改良することができ、実際の天然物合成での利用に十分な性能が備わったと考えている。一方で、昨年度に本年度の課題とした、ナキテルピオシン環化付加基質の合成過程における1,4-付加反応の立体選択性については未だ解決できておらず、合成研究においてやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本研究課題の最終年度にあたるため、これまでの研究成果をまとめ、論文化することに注力したい。
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Report
(3 results)
Research Products
(53 results)