Project/Area Number |
20K15382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石橋 千晶 東京理科大学, 理工学部先端化学科, 助教 (80801993)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | マグネシウム二次電池正極材料 / 第一原理計算 / 電気化学 / 理論化学 / 分子動力学計算 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではマグネシウム二次電池正極材料として、充放電前および充放電過程のスピネル型MgCo2-xMnOx、Mg4V5O4(M=Mn,Ni,Co;x=0-0.5)などに対して、第一原理計算を行い安定な局所構造と電子状態を明らかにする。第一原理計算を行うことで、実験研究だけでは不明瞭な置換種の影響が解明でき、電池特性に与える影響を理論的に予測できる。更に分子動力学計算を行い、温度の効果も考慮したMgイオンの拡散のメカニズムも調査する。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、温室効果ガスを排出しない蓄電池の需要が増加している。現在広く使われているLiイオン電池の材料であるLi金属よりも資源が潤沢にあるMg金属は2価のカチオンであるため蓄電池材料として高い体積エネルギー密度が期待される。そこで、当研究では、スピネル型MgM2O4(M=Co,Ni,Mn,Vなど)に対して静的な理論計算による新規マグネシウム二次電池正極材料の設計を行い、かつ設計した材料に対して動的な分子シミュレーションを行い、温度を考慮した条件下で、充放電過程における詳細なMgイオンの伝導経路メカニズムおよびイオン挿入量を解明することである本研究では、マグネシウム二次電池正極材料に対して混合原子価をもつ様々な遷移金属を置換した系に対して第一原理計算を適用し構造安定性を明らかにし、更に分子シミュレーションを行い温度条件下におけるMgの拡散係数を求めMgイオンの挿入・脱離の挙動を調べることを目的する。 これまで遷移金属種を置換種として考慮していたが、当該年度では、前年度に引き続きAlを置換種に含めたスピネル型MgCo0.5-xMnNi0.5AlxO4(x=0, 0.3)の充放電前、放電時の安定構造と電子状態を明らかにした。置換種であるAlがMgの拡散やホスト構造に及ぼす影響を明らかにした。その結果、Alを置換したx=0.3ではAl付近の金属と酸素間の結合を弱める効果があるため、Mgの拡散を促進し充放電容量が増加することを本研究にて予測した。実際、共同研究者がMgCo0.2MnNi0.5Al0.3O4を合成し充放電試験を行ったところ、MgCo0.5MnNi0.5O4よりも高い放電容量を示したことを報告した。第一原理計算を用いた固溶体スピネルaMgCo1.5Mn0.5O4-(1-a)Mg1.33V1.57Ni0.1O4の充放電過程におけるMg拡散のメカニズムの研究に現在も着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から取り組んでいるスピネル型MgCo0.5-xMnNi0.5AlxO4(x=0, 0.3)の放電過程における安定構造の探索を引き続き行い、放電過程におけるMgの挿入メカニズムを明らかにした。固溶体スピネルaMgCo1.5Mn0.5O4-(1-a)Mg1.33V1.57Ni0.1O4の充放電前、放電過程の安定な局所構造の探索を行っている。当初の研究計画では2023年度も引き続き固溶体スピネルaMgCo1.5Mn0.5O4-(1-a)Mg1.33V1.57Ni0.1O4を対象とした研究活動を行う予定であったため、進行状況はおおむね当初の計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度でも行っている固溶体スピネルaMgCo1.5Mn0.5O4-(1-a)Mg1.33V1.57Ni0.1O4の放電過程・充電過程における安定構造の探索を行う。更に充放電後電極の放射光X線全散乱測定によって得られた二体分布関数(pair distribution function:PDF)G(r)の解析を行い、実験データとの比較を行い本研究で得られた理論計算の結果の妥当性を示す。また、放電・充電過程における構造変化量を見積もり、これまでの研究対象としてきたMgCo1.5Mn0.5O4, Mg1.33V1.57Ni0.1O4の構造変化量と比較しMgの拡散メカニズムを明らかにする。更に分子動力学シミュレーションを行い温度変化と拡散係数の関係も示す。
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