Project/Area Number |
20K15474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
平野 可奈 金城学院大学, 生活環境学部, 講師 (00712663)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | IgA / 腸管免疫 / 腸内細菌 / 米 / 糠 / 酒粕 / レジスタントスターチ / レジスタントプレテイン / 難消化性成分 / レジスタントプロテイン / 米糠 / IgA抗体 |
Outline of Research at the Start |
腸内細菌はヒトが消化・吸収できない難消化性の成分を栄養とし、様々な代謝産物を産生する。近年の大規模なメタゲノム解析により、日本人の腸内細菌叢には多様性があり、またヒトにとって有益な代謝産物を産生する細菌が多く存在することが示された。しかし、実際に米を摂取した際の難消化性成分の体内動態や、腸内細菌叢への影響についての詳細は明らかではない。 本研究は、米の摂取によって腸内細菌叢の構成や腸管内で産生される代謝産物について解析するとともに、IgA抗体による腸管免疫防御・制御に対して、米の難消化性成分がどのような影響をもたらすかを明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌はヒトが消化・吸収できない難消化性の成分を栄養とし、様々な代謝産物を産生する。これらの代謝産物および菌体そのものが、腸管内だけでなく体内に取り込まれることで、腸管および全身の免疫系の構築に関わる。一方で、宿主の免疫系で産生され、腸管内に分泌されるIgA(分泌型IgA:sIgA)抗体は、腸内細菌との共生関係を維持する重要な因子として腸内常在細菌を制御するとともに、粘膜面の病原菌や抗原に対する防御において重要な役割を担う。近年の大規模なメタゲノム解析により、日本人の腸内細菌叢には多様性があり、またヒトにとって有益な代謝産物を産生する細菌が多く存在することが示された。米を中心とした日本型の食事は、腸内細菌叢に有益性をもたらし、多様な抗原に対応できるような腸管免疫系の構築に関わっていると考えられる。しかし、実際に米を摂取した際の難消化性成分の体内動態や、腸内細菌叢への影響についての詳細は明らかではない。本研究は、米を飼料として摂取する実験動物の飼育実験を行い、腸内細菌叢の構成や腸管内で産生される代謝産物や、米のどのような成分が腸内細菌に影響を与えるかを解析することとした。さらには、IgA抗体による腸管免疫防御・制御に対して、米の難消化性成分がどのような影響をもたらすかを明らかにすることを目的としている。また、実際に人への介入試験を行うことで、米を由来とした難消化性成分を継続的に摂取した際の腸内細菌層への影響や、粘膜免疫をはじめとした健康効果についても調査している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度においては、IgA抗体による腸管免疫防御・制御に対して、米の難消化性成分がどのような影響をもたらすかを明らかにするために、動物実験で得られた糞便と、人への介入試験で得られた唾液を用いて分泌型IgAの産生について調べることとした。実験動物の糞便からのIgA抗体抽出と測定はできたが、人の唾液についてはELISAの実験系がうまくいかずに分泌型IgA抗体を測定することができなかった。そこで、動物実験で得られたサンプルを中心にIgA抗体の産生と抗原に対する結合性についての解析を進めた。また、米糠以外の穀類の糠として、大麦糠を継続摂取した場合の腸内細菌叢についても解析した。2023年度は一定の成果を得ることができたが、人のサンプルを用いた実験を進められなかったため、予定よりもやや進行が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に行った動物実験について、大麦糠の継続摂取で得られた腸内細菌叢のデータと米糠のデータを比較して、どのような違いが見られるかを調べたい。次年度は2023年度に実施できなかった、人の唾液のIgA抗体の測定と解析を進めることとし、これまでの動物実験と人の介入試験で得られたデータを用いて、米飯、米糠の摂取によって細菌叢にどのような影響があるか、それによってもたらされる効果について考察する。
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