硫化水素施与による暖温帯域における亜熱帯果樹の低温ストレス軽減技術の確立
Project/Area Number |
20K15521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 友大 京都大学, 農学研究科, 准教授 (50758422)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 亜熱帯果樹 / 熱帯果樹 / 低温耐性 / 硫化水素 / 光合成速度 / 葉の損傷 / パッションフルーツ / アボカド / クロロフィル蛍光 / 栄養生長 / 酸化ストレス |
Outline of Research at the Start |
温暖化の進行に伴い、高温による温帯果樹の栽培上の問題が顕在化しており、対応が求められている。常緑果樹の栽培地である暖温帯域では亜熱帯果樹の導入が有力な対応策の1つになる。比較的低温耐性のあるパッションフルーツ・アボカドが導入されているが、冬季の低温による枯死、秋季の低温による光合成速度低下に伴う果実品質低下が報告されている。そこで、亜熱帯果樹の低温ストレスを軽減する栽培技術の確立が求められる。これまでに,硫化水素(H2S)施与により、パッションフルーツ・アボカドで、低温による枯死の回避、低温下での光合成促進に効果があることを示した.本研究では,その効果の程度を評価する.
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Outline of Annual Research Achievements |
100L鉢で栽培されている亜熱帯果樹アボカドの5年生接木苗に,0.5mMのNaHS(水に溶解しH2Sを発生させる試薬)を週に1回1L施与した.最低気温8℃程度の軽微な低温ストレス環境下において光合成は30%ほど促進された.一方で,葉の損傷の指標であるFv/Fmへの影響はみられず,H2Sによる葉の損傷抑制効果は認められなかった. 同様にして亜熱帯果樹のパッションフルーツにNaHSを施与した.試験は2年に渡っておこなったが,両年とも最低気温5℃以上の条件では光合成速度が15-30%程度促進した.またアボカド同様に,葉の損傷の指標であるFv/Fmへの影響はみられず,H2Sによる葉の損傷抑制効果は認められなかった.また最低気温が5℃以下のパッションフルーツにとっては強い低温ストレス下ではH2Sによる光合成促進効果もみられなかった.さらに,光合成速度の促進は果実品質の向上にはつながらなかった. 熱帯果樹カカオでも同様の試験を2年に渡りおこなったが,両年とも最低気温10℃程度の低温条件下で光合成速度は促進されなかった.また,葉の損傷の指標であるFv/Fmの低下を抑制しなかった. また,パッションフルーツに関してはH2Sが高温ストレスにおよぼす影響についても評価した.高温ストレスは低温ストレスとは逆のストレスではあるが,その耐性メカニズムには共通点が多い.その結果,最高気温が40℃をこえる強い高温ストレス下においてのみ,H2Sによって光合成速度が促進された.一方で,葉の損傷の指標となるFv/Fmなどに関しては影響を与えなかった.
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Report
(4 results)
Research Products
(3 results)