イネ白葉枯病菌の病原力遺伝子群hrpとキシロース代謝の同時制御とその意義
Project/Area Number |
20K15530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 39040:Plant protection science-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
伊川 有美 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 特任助教 (30866968)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 白葉枯病 / キシロース代謝 / 病原力遺伝子 |
Outline of Research at the Start |
イネ白葉枯病菌は、病原力タンパク質分泌装置を用いて宿主の防御応答を抑制・攪乱し感染を成立させる。この装置の構築に関わる遺伝子群の発現には調節因子HrpXのキシロース依存的な蓄積が重要である。この蓄積制御に関わる因子は、イネ細胞壁の主要成分キシラン/キシロースの代謝関連遺伝子の発現も制御している。このことから、白葉枯病菌は宿主への侵入直後に、キシロースを栄養源としてだけでなく病原力タンパク質分泌装置の構築誘導にも利用し、宿主の防御応答の抑制しながら増殖し、感染を成立させると考えた。本研究では、これに基づき、感染初期におけるキシロースの重要性とそれを介した発病機構を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
イネ白葉枯病菌のhrp遺伝子群は、病原力に必須であるtype Ⅲ分泌装置の構築に関わる。筆者の研究グループでは、本遺伝子群がキシロースによって発現誘導されること、キシロース代謝関連遺伝子群の転写抑制因子XylRがhrp遺伝子群の制御因子の蓄積抑制に関わること、さらにキシロースがXylRを不活化し、キシロース代謝関連遺伝子群の発現とHrpXの高蓄積を介してhrp遺伝子群の発現を活性化することを明らかにしていた。 キシロース存在下におけるXylRの不活化に伴うキシロースの細菌細胞内への取込みと、その代謝の活性化がHrpXの蓄積抑制に関わると仮説を立て、XylRが特異的に結合するモチーフ配列をもつキシロース代謝関連遺伝子について単独及び複数破壊株を作出し、hrp遺伝子群の発現を調べた。その結果、それらの破壊株における発現に野生株と顕著な差はなかった。このことから、上記の仮説は棄却された。一方、XylR欠損条件下では、キシロース非存在下でもHrpXの蓄積増加とhrp遺伝子群の発現増加がみられたことから、XylR欠損/不活化条件下で発現増加する遺伝子が、キシロース代謝の活性化以外の作用を介してHrpXの蓄積を増加させる可能性を考えた。現在、この仮説の検証を行っている。 糖代謝を含め、様々な遺伝子の発現を制御するグローバル転写制御因子Clpは、細菌のセカンドメッセンジャーであるcyclic-di GMPの合成と分解によってその活性が調節される。cyclic-di GMPの合成または分解に関わる因子であるXOO_3074の破壊株において、hrp遺伝子群の発現上昇と、キシロースを糖源とする培地における増殖の低下を見出した。これは、本因子がhrp遺伝子群の制御因子であり、キシロース代謝関連因子であることを示唆しているため、本因子についても本研究課題の中でその制御機構の解明を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請当初、キシロース存在下におけるXylRの不活化に伴うキシロースの細菌細胞内への取込み、およびその代謝の活性化がHrpXの蓄積抑制に関わるとの仮説を立て研究を進めていたが、これまでの実験結果はそれを否定するものであった。そこで、「XylR欠損/不活化条件下で発現増加する遺伝子が、キシロース代謝の活性化以外の作用を介してHrpXの蓄積増加をもたらす」との新たな仮説を立て、研究計画を再構築する必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
「XylR欠損/不活化条件下で発現増加する遺伝子が、キシロース代謝の活性化以外の作用を介してHrpXの蓄積増加をもたらす」との新たな仮説を検証するため、キシロース非存在条件下(グルコースを唯一の糖源とする培地)においてHrpXの高蓄積およびhrp遺伝子群の発現増加が見られるXylR欠損株を親株とし、さらにXylR欠損により発現増加する遺伝子を欠損させた二重変異株を作出し、同条件下でhrp遺伝子群の発現増加が見られなくなる変異株を選抜し、その責任遺伝子の機能およびhrp遺伝子群の発現制御機構の解明を行なう。また、新たにhrp遺伝子群の発現とキシロース代謝に関わる因子として見出したXOO_3074について、それらへの関与の分子機構を解明する。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)