大型動物を喪失した熱帯雨林における大型種子をつける植物の種子散布の現状
Project/Area Number |
20K15555
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中林 雅 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 准教授 (70770858)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 種子散布 / テレメトリー / 大型種子 / ドリアン / 森林の空洞化 / 実生 / 熱帯雨林 / 空洞化 / 大型動物 |
Outline of Research at the Start |
大型動物は狩猟の対象となりやすく、人為的攪乱に脆弱な種が多い。大型動物が局所的に絶滅した森林では、大型動物に種子散布を依存していた大型の種子をつける植物の更新が行われず、将来的に森林生態系が崩壊することが懸念されている。しかし、大型動物を喪失した空洞化した森林の種子散布系の現状は、東南アジア熱帯ではほとんど分かっていない。 そこで本研究は、直径3㎝以上の大型種子をつけるドリアン属をモデル植物として、空洞化した森林と健全な森林で、ドリアン属の種多様性、種子が移動した距離、森林に現存する種子散布動物の種子散布能力、を比較して、東南アジア熱帯でも種子散布系の崩壊現象が生じているかどうかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルスによる海外渡航が緩和されたので、2022年度は3度調査国マレーシア・サバ州に渡航した。1回目は2022年9月に、主に調査道具の運搬を目的とした短期間の滞在だった。2回目は11月13日から19日にかけて渡航した。現地研究協力者のEyen Khoo氏とミーティングをおこない、引き続き協力を得られることを再確認した。しかし、Khoo氏の所属するサバ州森林局森林研究センターでも人員が不足しており、調査助手の雇用は半年前から予約することで合意した。3回目は2023年3月に短期間渡航した。その際に、本研究の予備実験をおこなった。渡航した時期に大型種子をつけるドリアンなどの果実を入手できなかったので、本研究で使用する小型発信機を栽培品種の果実の果肉に挿入して、森林内でテレメトリー受信機一式を用いて発信機の探索をおこなった。その結果、小型発信機を探知できるのは半径200メートル以内だと分かった。移動距離が長い大型動物に小型発信機を挿入した大型種子を食べられた場合、散布距離の推定のために運搬された発信機を探索するのは、極めて難しいことが示唆された。この予備研究で、本研究でおこなう散布距離の推定を実施する場合は、餌台の近くで待機して、採食した動物をできる限り目視で追跡する必要があることがわかった。今年度からは7月以降に調査地に渡航し、本格的に研究を再開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染状況の世界的な拡大により、海外渡航が制限されていたため、調査国に渡航できなかったことが主要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2023年7月に渡航して、動物による大型種子の運搬能力の検証をおこなう。また、大型種子をつける植物の空間分布と種多様性については研究に時間がかかるので、現地研究協力者と日程を調整しながら、調査助手を雇用して実施してもらう方針にする予定である。 2024年2月に渡航して、得られた研究成果をまとめ、3月の生態学会で発表および国際誌に論文としてまとめる。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)