Project/Area Number |
20K15592
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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Research Institution | Research Institute of Environment, Agriculture and Fisheries, Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
山本 圭吾 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 総括研究員 (80503937)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | Alexandrium catenella / 個体群形成 / シスト / 発芽 / 流動 / 海水交換 / 有害・有毒プランクトン / 漁港 / 大規模ブルーム / 発芽動態 |
Outline of Research at the Start |
本邦の麻痺性貝毒による二枚貝毒化は年々規模を拡大している。大阪湾の主たる麻痺性貝毒原因種であるAlexandrium tamarenseは、湾内、特に漁港で高密度かつ大規模な赤潮を形成する。内湾や漁港は静穏な海域であり、強度に閉鎖された環境が本種の培養庫の様になっていると推測される。本研究では、これまで評価されなかった漁港の培養作用が内湾の有毒プランクトン大規模ブルームに及ぼす影響を評価するため、漁港内でのシストの発芽動態、個体群形成機構を解明する。さらに流動解析で本湾への供給機構を解明する。これらにより大阪湾で大規模ブルームが形成される要因を探るとともに、将来的な抑止施策構築の基盤に資する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本邦における麻痺性貝毒による二枚貝の毒化は近年空間的にも期間的にも規模を拡大している。大阪湾における主たる麻痺性貝毒原因プランクトンであるAlexandrium caenella(旧A. tamarense) は、同湾内、特に漁港で世界的にも他に類を見ない高密度かつ大規模な赤潮を形成する。内湾や漁港は外洋に比べ流動が小さい静穏な海域であり、強度に閉鎖された海域環境がプランクトンの培養庫となっているのではないかと推測される。本研究では、これまでほとんど評価されてこなかった漁港の培養作用が内湾における有毒プランクトンの大規模ブルームに及ぼす影響を評価するため、①漁港内におけるシストの発芽動態、個体群形成機構を解明する。さらに②流動解析により本湾への供給機構を解明する。これらにより大阪湾で世界的にみても大規模なブルームが形成される要因を探るとともに、将来的な抑止施策構築の基盤に資する。 2021年度に引き続き4月より大阪湾北部沿岸に位置する堺市出島漁港においてA. catenella栄養細胞の出現状況および漁港内の化学環境、シストの蓄積状況を調査した。また、ペットチャンバーによる底泥の現場培養により、シストの発芽状況を調査した。 漁港内のシスト密度は前年度同様年間を通じて1立方cmあたり数100cystsで観察されたが、現場でのシストの発芽は低レベルであった。2022年度の栄養細胞の増殖は、規模は小さいものの過去2年では最も高密度で確認された。また漁港内外の環境を比較し、漁港内で早期に増殖するポテンシャルを確認した。さらに前年度取得したADCPデータの解析結果から、風向・風速と潮汐で5つの流出・流入パターンを見出し、2007年に確認された赤潮時の昼夜観測における栄養細胞の動態に適用したところ、漁港内における細胞密度の増減が説明可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナによる現場調査の制限はあったが概ね目的の調査回数をこなし、発芽から増殖までの一連の動きを捉えることができている。期間中栄養細胞の増殖レベルは高くなかったが、漁港内におけるシスト密度、シスト発芽と栄養細胞の出現の関係、港域外との環境条件の違いなどを明らかにすることができた。また、ADCPによる流動観測を約40日(2潮汐分)の長期にわたる連続観測により、漁港内外の流入・流出に5つのパターンがあることを見出した。このデータを利用して、2007年に確認された漁港内での赤潮時におけるプランクトン密度の24時間の変化との関係を検討したところ、漁港内のプランクトン密度の増減が風向・風速と流動で説明可能であることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間中のAlexandrium catenella栄養細胞の増殖は想定していたよりも低調であったことから、よりレベルの高い成果とするため1年間期間を延長したが、概ね当初の目的は達成していることから調査は年度初めで終了し、学会発表、投稿論文の作成を行う予定。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)