Project/Area Number |
20K15593
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
日比野 友亮 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (30823223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ウナギ目 / 分布 / 魚類 / 標本 / 生物地理 / 季節風 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、南シナ海西部インドシナ半島縁辺域において魚類を用いて熱帯-温帯性海洋生物の分布障壁を探るとともに、その分布様式決定パタンを理解しようと試みる。海洋生物の分布は海流や水温に代表される様々な物理環境によって決定されるが、その境界海域についてはいまだ不明な点が多い。海流による目立った物理障壁がない南シナ海西部海域において長い仔魚浮遊期をもち、分布の決定に塩分・水温・海流といった物理環境への耐性が強く影響するウナギ目魚類を網羅して収集し、分布の類型化を行うことで、この海域での分布障壁の有無と、その分布パタン形成についての仮説を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度も引き続き新型コロナウイルスの蔓延の影響を受けていたため、研究活動には大きな支障が生じている。ただし、研究の方策を現地研究者による独自の採集活動と台湾産標本などアクセス可能な標本を用いた南シナ海海域全域的なゴール設定に振り替えて、研究を実施することで研究を進展させた。 日本国内で所蔵標本の内容がほとんど不明でありながら、戦前からの潤沢な標本群を擁する京都大学総合研究博物館と、国立科学博物館で所蔵標本の探索を行い、ベトナムを含む南シナ海海域のウナギ目魚類標本を発見、種同定を行った。このほか三重大学、鹿児島大学、国立科学博物館の蓄積コレクションと、新たにべトナムの現地研究者からもたらされたサンプルを組み合わせて遺伝解析を行った。その結果、分布は日本から南シナ海海域にまたがるが、遺伝的多様性がみられる種とみられない種が混在することが示唆され、ベトナム・フィリピンといった南シナ海海域に未知のウミヘビ属魚類が存在することが見出された。 台湾のウナギ目魚類相については日本や東南アジアとの中継点にあたり、類似点が多いと推測されるものの具体的な解析例はない。したがって、次年度以降に研究成果を得るための下準備として、まずはベトナム以外の東南アジア各地(マレーシア、フィリピン)と、台湾についての文献収集と整理を実施した。 台湾産のウナギ目標本についての整理と同定も同時並行で進めている。少なくとも既知種に同定されていた台湾産の標本には未知の種が含まれていることが判明しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年1月より拡大した新型コロナウイルスが依然として蔓延し、国外への移動はもちろんのこと国内での移動についても妨げる状況が継続している。研究活動についても所属機関の規程に従って行動せざるを得ないことから移動が大幅に制限され、ベトナムを訪問しての調査遂行が不可能である。一方で現地協力研究者の努力により一部サンプルが増加した。その他の背景を含め(前述)、昨年度よりは研究に進展がみられた。一連の研究過程で生じた研究成果の一部を論文や学会発表として公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
R3年度は推進方策として、国内で閲覧可能な標本の確認と研究協力者による現地採集に重点を置くとともに、台湾を含めた南シナ海の温帯魚類分布パタン理解の方針を進めた。R4年度についても依然として新型コロナウイルス蔓延の影響はあるものの、昨年と同じく相補的な作業を国際的に展開するとともに、所属機関の対策規程が変更され次第、現地を訪問しての採集調査を開始することを計画中である。
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