限定的な情報処理能力を考慮した食料消費行動モデルに基づく差別化戦略の再検討
Project/Area Number |
20K15608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 41010:Agricultural and food economics-related
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Research Institution | Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries |
Principal Investigator |
伊藤 暢宏 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (70845883)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 空間競争 / 消費者行動 / 価格弾力性 / 探索行動 / 消費者 / 情報処理能力 / 購買パターン / 食料消費 / 米消費 / 小売店舗 / 製品差別化 / 限定合理性 |
Outline of Research at the Start |
消費者の多様化への対応で急速に進んでいる製品差別化によって種類が増大した米の購買行動に、選択肢の探索行動や貯蔵可能性の要素を組み込み、全選択肢を評価して購買するという従来のミクロ経済学の仮定に基づいた研究では考慮できなかった要因を捕捉した食料消費行動モデルを考察する。本研究はそこで構築したモデルに基づいた差別化戦略を再検討することを目的に、(1)貯蔵可能性の存在が米購買行動に与える影響評価、(2)参照価格と消費者行動及び小売店舗行動との関係の把握、(3)購買時情報処理に影響を与えうる農業者の取り組みの影響評価を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、小売店舗間の空間競争及び消費者の価格探索傾向が需要の価格弾力性に与える影響を検討した。製品差別化が行われていても、販売される小売店舗同士の空間的な競争状況や、それに直面する消費者の行動パターンによって、価格反応度が変化するのであれば、差別化された製品の購入にも影響を及ぼすことが考えられるため、小売店舗の空間競争と需要の価格弾力性との関係を検討した。分析の結果、店舗数が多く、店舗間競争の激しいと思われる場所に居住する消費者は、価格に敏感に反応する傾向であった。推定された係数に場所間でバラつきも見られたことから、店舗数や立地場所によって価格への反応が大きく異なることが示された。さらに、特定のブランドのみを購入し、探索傾向の低い消費者は価格への反応は鈍い傾向であった。同様の分析を発展させ、財の特性が異なる鶏卵に対しても実施した。こちらでは、反応パターンが異なるように消費者をセグメントに分けて分析を行った。その結果、米と同様に店舗数の多いエリアほど価格弾力的に行動していた傾向が平均的には見られた。しかし、セグメントによっては、店舗数による価格反応度が小さいセグメントも存在していた。また、探索傾向についても、価格に対して敏感な場合と鈍感な場合がいた。特に、主要な店舗で購入した場合、店舗数が多いと価格反応が大きくなるセグメントが見られたことから、鶏卵については、空間的に安値を探索するというより、安値のタイミングを探索することが考えられることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの整理が終わり、分析を実施できた。また、分析結果を国際学会で報告し、議論することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、データの分析を実施し、論文化に向けて作業を進めていく。
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Report
(4 results)
Research Products
(3 results)